たまに説明書きを見つける「特払い」。これはすなわち、「式別毎に勝馬投票の的中者がいない場合には、競馬法第8条の規定により、その式別に投票した購入者全員に対して、特払いとして100円につき70円の払い戻しを行うこと」をいいます。現在の中央競馬では購入者が多いためほとんど行われることはありませんが、海外で発売されている5連単や5連複、6重勝など、難易度の高い馬券を将来的に発売することになれば、発生率は高くなっていくと思います。

 でも、実際これが行われた場合は自分の予想は外れていて、しかも結局はマイナス収支となるのですから、私たちはそれほど嬉しいとは感じないと思います。この部分の上積みを他のレースの配当に回す、いわゆるキャリーオーバー制にしたほうが面白いのではないでしょうか。

 JRAは最近、「JRAプレミアム」(対象レースにおいて、通常の払戻金に「売り上げの5%相当額」を上乗せして払い戻しするもの)や「JRAプラス10」(通常の払戻金が「100円元返し」となる場合に、10円を上乗せして110円で払戻しするもの)を実施しています。つまり、個々のレースや馬券種によって控除率が一定である必要はないということです。

 キャリーオーバーするなら、単純に次の週とかよりも競馬界的に注目度の高いレース、例えば春なら日本ダービー、秋なら有馬記念に集中的に行う(日本ダービーは競馬関係者の夢ですから、ファンとしてもより夢を追える状況になることが望ましく、有馬記念は有名なレースでボーナス後なのでJRA的にも都合が良く、有力古馬が引退レースに使うことも多いので、理にかなっています)。キャリーオーバーが多い場合には、控除率がマイナスからプラスになる可能性もあります。そういう状況になったら、以前totoBIGで盛り上がったように、マスコミが注目してくれて、普段競馬をしない人も馬券を買ってくれる可能性が高いのではないでしょうか。

 実際のところ、このブログでも色々と書いてきたように、馬券が当たらなければ配当は得られないので控除率などあまり関係はないのですが、競馬を単純なギャンブルと考えている方々には、「期待値」は競馬をやらない大きな壁となっているように感じられます。そういう方々には素直に「期待値」を誘因としてみましょう。

 毎年、日本ダービーと有馬記念だけはお徳だから馬券を買ってみる、ただそれだけのきっかけから、競馬に興味を持ってもらい、近頃の競馬場の豪華さ、綺麗さを知ってもらい競馬のイメージを変えていくことができるかもしれない。

 思い出の馬ができ、競馬新聞を一通り読むことができるようになり、予想の奥深さに熱くなってくれるかもしれない。

 1頭の馬を取り巻く関係者(馬主、調教師、騎手など)の存在と情熱、日本競馬の歴史、サラブレッドの歴史、数々のドラマを知ってもらい、ひとつのレースを見て涙を流してくれるかもしれない。

 特払いは競馬法に規定されているし、他の公営ギャンブルとの並びもあるでしょうから、変更するのは難しいとは思うのですが、検討の余地は十分にあると思います。次の馬券の導入よりも先に手を打ってほしいところですね。

2009年05月23日