「競馬で勝つには、穴馬券を取らなければならない」と言います。これは私の感覚でも間違いがありません。ただ、コンスタントに穴馬券を取ることは容易ではありません。

穴馬券を狙うことは重要ですが、全てのレースで穴しか狙わず、本命を穴馬にしか設定しないような極端な方法は、私は採用しませんし、少なくとも初心者には不向きです。

例えば、的中率5%で回収率120%の予想法(A)と、的中率50%で回収率110%の予想法(B)があったとします。20万円投資したら、Aは4万円のプラス、Bは2万円のプラスになりますから、Aのほうが優れているようにも思えます。

しかし、それぞれを具体的に考えますと、Aは1万円を20回賭けて1回的中し、的中レースでは1万円が24万円になる穴馬券を的中させることができたようなケース。

Bは1万円を20回賭けて10回的中し、的中レースでは1万円が平均2万2千円になったというケースです。

私は週に3レースくらいしか予想をしませんので、もしAの予想スタイルであれば、(20回予想して1回の的中が最後だった場合)6週目まで全滅、マイナス18万円という時点が存在する可能性があることになります。

今回の例では、20回に1回的中するモデルですが、40回に2回的中するモデルで、的中が最後の2回である可能性もゼロではありません。的中率が低い場合、回収のタイミングが少なく、いつまで連敗のトンネルが続くのかわからない不安が付き纏います。ビギナーで、泥沼の連敗にも諦めないで買い続けられる方はあまりいないのではないでしょうか。

一発で百万馬券でも当てれば、回収率は飛躍的に上がりますが、それが偶然なのか必然なのかはわかりません。より正確な予想をすれば的中率が上がるはずです。

悪徳な商売を考えれば、Aのスタンスを表明し、「いずれ大きい的中があるから必ず儲かる」と言って会員を繋ぎ止めるようにすれば良さそうです。会員はやめたら損のままで終わってしまうので、やめるにやめられず、連敗に恐怖しながら会費と馬券代を失い続ける苦痛の週末になるかもしれません。

従って、このような目に遭わないように、ビギナーはまずBのスタンスを採り、競馬というゲームの理解を深め、自分で予想できるようになることが重要です。3レースに1回、3倍の単勝を当てればトントンと考えれば、そちらで堅実に当てて長く楽しむことができます。競馬で勝つことは難しいですが、競馬で負けないことはそこまで難しくありません。

私は安い配当でも堅実に的中して収支を均衡しつつ、穴馬券を当てた分がプラスになるという形が多いですね。穴馬券を獲ることを意識するのは、守備力が安定してからで良いのです。

2011.06.25