ご存知のとおり、私は予想を厳選して行っているので、年間を通じて公式実績に残す予想数は50レース程度となっています。
それが一般の予想家に比べて少ないというのは認識していますし、私の予想家としての課題であることももちろん承知しています。
この点を競馬予想家協会の「予想力」に反映していないのは、私に都合の良い形にしているのではないか、と考える方もいるかもしれません。

競馬予想家協会の「予想力」への反映も検討しましたが、例えば、予想を1つする度に予想力が1ポイント上がるとした場合、予想を100R多くすれば、その的中・不的中を問わずとも100点上昇します。0.1ポイントとしても1000Rすれば100点の差。1週間に行われるレース数は2開催場でも48Rあり、これが50週とすれば2400Rとなり、240点の差になりかねません。このような考えから、予想数というものを予想力に反映する必要はないという判断に至っています。

また、予想家の予想情報を見る読者からすれば、予想の数の多さはそれだけその予想家の見解に触れることができるという楽しみはありますが、その見解の正しさがある程度結果に反映してくるものであることからすれば、精度の高い予想に、より高いニーズがあると思われます。予想の数が多くても読み切れないですし、毎週全レースに思い入れをもって臨める読者はいないでしょう。

もし、予想数が多いことに関して読者にメリットがあるとすれば、その予想を見ている読者が多くなればなるほど、その推奨する買い目に投票が集中する(その日勝負したい方の大口投票が入ることもあるでしょう)ため、予想が多いほうが、注目が分散されてオッズ減少に繋がらないといった程度ではないでしょうか。

しかし、これは読者のメリットというよりも、そのオッズ減少が馬券成績に直接繋がる予想家のメリットです。つまり、予想レースを絞れば絞るほど、注目を浴びた場合に、推奨する馬のオッズ減少につながるので、たくさん予想をして、読者の注目を分散させることで、オッズ減少を軽減することができると考えられます。

また、予想を多くすることでプレゼンス向上につながるのも予想家側のメリットです。特に、G1や重賞を予想したほうが多くの方に見ていただけるので、予想家としてアピールするには必要と思われます。

ということで、予想数の多寡については、予想家が予想家としてやっていくためには重要な要素でありつつ、(精度の高い予想を求めるであろう)読者や顧客にとっての評価には直接的に繋がるところが大きくないと考え、将来的にも予想力の評価とは切り離す方向で考えています。

2016年12月02日