皐月賞の穴パターンとして、京成杯勝ち馬の好走がたまに見かけられるのですが、これを分析していて気付いたことがありましたので、ご参考までに記録しておきます。

まずは、京成杯が2000mとなった1999年以降の連対馬で、皐月賞、ダービーの馬券圏に入った馬を見ていきます。

1999年1着オースミブライト(皐月賞2着、ダービー4着)5-5-5
2005年1着アドマイヤジャパン(皐月賞3着、ダービー10着)7-6-6
2005年2着シックスセンス(皐月賞2着、ダービー3着)7-8-7
2007年1着サンツェッペリン(皐月賞2着、ダービー4着)1-1-1
2008年1着マイネルチャールズ(皐月賞3着、ダービー4着)9-8-9
2010年1着エイシンフラッシュ(皐月賞3着、ダービー1着)3-3-3

また、同期間において、京成杯連対馬で皐月賞またはダービーに出走して、馬券圏外に終わった馬も確認すると、こちらのほうが多数なのですが、2角6番手以内かつ3角以降5番手以内を満たさない差し追込馬が多いことがわかります(一番右の数字は京成杯における2角以降の順位)。

1999年2着チョウカイリョウガ(ダービー13着)5-8-9
2001年1着ボーンキング(皐月賞16着、ダービー4着)8-7-6
2002年2着ローマンエンパイア(皐月賞14着)10-10-7
2003年2着テイエムリキサン(皐月賞10着)9-8-6
2004年1着フォーカルポイント(皐月賞9着、ダービー11着)5-6-6
2004年2着マイネルマクロス(皐月賞7着※出遅れ、ダービー16着)2-1-1
2006年1着ジャリスコライト(皐月賞7着、ダービー14着)6-6-5
2006年2着トウショウシロッコ(皐月賞9着)6-6-7
2007年2着メイショウレガーロ(皐月賞5着)7-6-5
2008年2着ベンチャーナイン(皐月賞13着、ダービー9着)16-16-15
2009年1着アーリーロブスト(皐月賞16着※激流、ダービー16着)2-2-2
2009年2着ナカヤマフェスタ(皐月賞8着※激流、ダービー4着)5-6-6
2011年1着フェイトフルウォー(皐月賞14着、ダービー13着)3-4-4
2011年2着デボネア(皐月賞4着、ダービー11着)9-7-8
2012年2着マイネルロブスト(皐月賞16着)12-11-11
2013年1着フェイムゲーム(皐月賞12着)9-7-5
2013年2着アクションスター(ダービー14着)11-10-8
2014年2着キングズオブザサン(皐月賞15着)10-7-6
2015年1着ベルーフ(皐月賞12着)12-13-12
2016年1着プロフェット(皐月賞11着、ダービー17着)4-5-3

逃げ先行馬としては、マイネルマクロス、アーリーロブスト、フェイトフルウォー及びプロフェットが凡走していますが、マイネルマクロスは皐月賞で出遅れた不利、アーリーロブストは皐月賞が激流となる不利、フェイトフルウォーとプロフェットは2000mの指数が57程度以下という低水準であったことを敗因にあげることができます。

好走例のほうにも、京成杯で差しだった馬もいますが、2005年の2頭は共にラジオたんぱ杯の上位着順馬であり指数が高かったこと、マイネルチャールズは皐月賞を1番人気で3着とむしろ期待を裏切っており、マイナス方向で評価することで間違いではなかったことがわかります。

今期(2017年クラシック世代)は特に顕著でしたが、冬場の中山開催では激流が生じやすい条件となっていて、後方からの差し、追い込みが決まりやすい条件だったのですが、今年に限らず、傾向としてそういう馬場になりやすいということなのではないかと思われます。

これを他のレースに敷衍して考えてみます。12月最終週~1月の中山開催における2000mのOPレース以上の実績馬(OPは勝ち馬、重賞は連対馬を対象)の皐月賞またはダービーの成績は下記のとおり。

ホープフルS(1999年以降。2014年から重賞化)
1999年1着エアシャカール(皐月賞1着、ダービー2着)6-7-6
2001年1着タイガーカフェ(皐月賞2着、ダービー10着)6-4-4
2005年1着ニシノアンサー(皐月賞14着)1-1-1 ※京成杯8着惨敗
2006年1着ニュービギニング(皐月賞15着)15-12-12
2009年1着アリゼオ(皐月賞5着、ダービー13着)3-2-2
2010年1着ベルシャザール(皐月賞11着、ダービー3着)2-2-2
2012年1着サトノネプチューン(皐月賞14着)8-7-6
2014年2着コメート(皐月賞10着、ダービー5着)3-3-3
2015年2着ロードクエスト(皐月賞8着、ダービー11着)12-11-7

ジュニアC(1997年から1998年まで)
1997年1着サニーブライアン(皐月賞1着、ダービー1着)1-1-1
1998年1着セイウンスカイ(皐月賞1着、ダービー4着)1-1-1

ホープフルSは、特にOP時代はレベルがかなり低い年もあり、イレギュラーなものもありますが、概ね考えたとおりとなったと思われます。やはり指数は少なくとも2000m換算で58以上くらいなければ本番通用することはないと考えられる一方、先行して好走できていれば、皐月賞またはダービーでの穴馬候補になるということでしょう。

これを踏まえて、今年の関係レースの実績馬を見ていくと、下記の4頭が該当します。

2016年ホープフルS1着レイデオロ(皐月賞?着)12-11-8
2016年ホープフルS2着マイネルスフェーン(皐月賞?着)9-9-8
2017年京成杯1着コマノインパルス(皐月賞?着)12-10-7
2017年京成杯2着ガンサリュート(皐月賞?着)10-11-11

レイデオロは無敗であり、ルメール騎手が惚れ込んでいる馬ということで皐月賞に出走すれば上位人気が予想されますし、同条件の京成杯を勝っているコマノインパルスも穴で評価される可能性もあるでしょうが、全4頭とも差し追い込みでの好走であり、人気よりもパフォーマンスを落とす可能性が高いと考えられます。なお、指数面から58以上となるのはレイデオロだけとなっています。