ご連絡が遅くなりましたが、競馬の税金関係について、先週こんな記事が出ていましたのでご参考までこちらにも掲載させて頂き、一言コメントしておきます。

次回の公判は2月7日だそうです。

(記事はそのうちなくなると思いますので、以下に転載します)
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馬券35億円男 自己破産しても巨額税金は一生支払うことに
女性自身 12月19日(水)10時56分配信

心躍る有馬記念だというのに、競馬ファンの関心はある裁判の行方に集まっている。大阪の男性会社員A氏が、実際に儲けた金額をはるかに超える巨額の税金の支払いを求められている件だ。1億5千500万円の儲けに対し所得税が6億8千万円、その他課税処分などを合わせると10億円以上になるというのだ。12月10日、第2回公判が大阪地裁でおこなわれた。

弁護士によればA氏は妻子ある会社員で年収は約800万円。市販の競馬ソフトに独自の計算式を加えオリジナルの”必勝システム”を開発し、インターネットで馬券を購入していた。100万円を元手に’05年から’09年の5年間はJRA開催の全レースで総額35億500万円分の馬券を購入。それに対する払い戻しは36億6千万円で、差し引き1億5千500万円のプラスになったという。

普通ならばこの儲け=1億5千500万円に課税すればと思うのだが、国税当局の考えは違う。受けた払い戻しは『一時所得』であり、経費に認められるのは的中した馬券の分のみ。ハズレ馬券は経費として認めない。的中馬券購入額の約1億5千万円のみを経費として、払い戻し総額からそれを引いた約35億円を課税の対象にしたのだ。

だが、これはA氏に限った話ではない。「一般的な競馬ファンにも多額の追徴課税がおこなわれる可能性があります」と警鐘を鳴らすのは、公認会計士の資格を持つ馬券師の丸の内龍太郎氏だ。

「今回A氏が大きく儲けていたから狙われたと思うのは大きな誤解。今の法律がある限り、一度に50万円以上の払い戻しを受けた人なら誰でも、いつ告発されてもおかしくないのです。その人がほかのレースでどれだけ負けていても関係ないんですよ。馬券は勝った瞬間に25%がテラ銭として徴収されています。うち10%は国庫に直接納付されているわけです。にもかかわらず、公然と『二重課税』がおこなわれたのが今回の事件なのです」

しかし、自己破産してしまえば税金から逃れられるのではないか。

「いいえ。意外と知られていないことですが、たとえ自己破産しても個人にかかる税金は一切棒引きされないのです。税法で決められている以上、Aさんが裁判で勝つことはまず不可能でしょう。Aさんは一生かかって巨額の税金を払いつづけるしかないのです」(丸の内氏)

次回の公判は来年2月7日におこなわれる。

(週刊FLASH 2013年1月1日号)
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丸の内龍太郎氏は「税法で決められている以上、Aさんが裁判で勝つことはまず不可能」と言われているようですが、馬券を一時所得としているのは国税の通達(「所得税基本通達」法第34条《一時所得》関係)※。法解釈が通達のとおり考えられるかが焦点です。国税側の主張については、前々回の記事「国税庁の主張の誤りを指摘する(競馬の税金について)」で私が誤りを指摘できるような稚拙なものですし、今回のケースはAさんが実際に得ていない金額に課税をするような話で、国税が負ける可能性も結構あると思われます。

また、実際のところ今回の裁判が終わるまでは、どちらに転ぶかわからないリスクがあるので、一般競馬ファンへの告発は当面ないでしょうけど、こうして多くの人に現状をわかっていただいて世論を動かすのも、良い方向に結果を導く方法かもしれません。

引き続き、本件については注視していきますね。

※所得税法において、一時所得については、下記のとおり書かれているだけです。
(一時所得)
第34条 一時所得とは、利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、退職所得、山林所得及び譲渡所得以外の所得のうち、営利を目的とする継続的行為から生じた所得以外の一時の所得で労務その他の役務又は資産の譲渡の対価としての性質を有しないものをいう。
2 一時所得の金額は、その年中の一時所得に係る総収入金額からその収入を得るために支出した金額(その収入を生じた行為をするため、又はその収入を生じた原因の発生に伴い直接要した金額に限る。)の合計額を控除し、その残額から一時所得の特別控除額を控除した金額とする。
3 前項に規定する一時所得の特別控除額は、50万円(同項に規定する残額が50万円に満たない場合には、当該残額)とする。

2012年12月29日