予想要素において「純粋能力」や「時計」といったもののトレンドは廃れつつあるものの、予想の基礎として覚えておくべきことである、というようなことをお伝えしてきました。

しかし、走破時計は競馬場によっても時期によっても異なるのが通常である一方、馬の能力をある程度固定化して考えられることを前提とすれば、走破時計よりも相手関係による能力差を物差しにしたほうが効率的と考えられます。

今回は時計の速さに影響を受けにくい能力の診断方法・予想観点として、3.相手関係についてご紹介します。

対戦相手との能力比較においても、これまでにご紹介した通ったコースの違いや、展開が影響するため単純ではありませんが、まずは非常に簡易なモデル(同じ競馬場の同じ距離のレースにおいて、通ったコースは同じとし、展開はミドルペースを前提)で考えていきましょう。

レース1:AとBが対戦し、AがBより0.3秒先着した

レース2:AとCが対戦し、AがCより0.7秒先着した

レース3:BとCが対戦(例題.どちらがどれだけ先着するでしょうか)

このように、相手関係で能力を測る方法は、直接対決をしていない馬の能力の順列を導き出すことができ、予想に使うことができます。(答え:BがCより0.4秒先着する)

上記は単純なモデルでの話であり、精度を上げていくには、各馬の距離ロスや展開ロス等を計算する必要がありますが、この物差しを使うと、レース1,2,3それぞれの開催地等が同一である必要がありません。

厳密には、馬それぞれの個性によって、コースによるパフォーマンス差が出ることがあるのですが、私が使っている能力指数(天星指数)でも、血統や走法に目覚める以前の、少なくとも第四期(2007年)頃まではそのあたりのことを一切無視してきましたから、ビギナーの段階では無視してもらって大丈夫です。

私はエクセルで指数を管理していますが、予想時指数と結果指数はかなり近い値となります。数字が大きく乖離することももちろんありますが、「リスク」の概念によって、更にその乖離を縮めることができます。

2011.07.10