予想の可能性をどこまで信じるか

 最近、競馬パークのブログやメルマガでたまバスさんが語ってくださっているので、それに触発されて私もちょっと語ってみます。予想スタンスの話です。

 私の場合は予想に情熱を注いできました。注ぎすぎて、この予想メルマガ自体が私の人生ドラマの一部分になってきたことは間違いありません(汗)

 最近、ネット競馬関係で様々な出会いがありますが、たまバスさんのように予想に重きをおかない方もいらっしゃいます。「予想で突き詰められる範囲は限界がある」という考え方ですね。私も予想に限界があるというのは理解しているのですが、この「限界」のラインが、人によって全然違うのかなと思います。

 私のスタンスは「予想で突き詰められる範囲は限界があるのだろうけれど、どこまでが限界なのかがわからないので、限界を考えず行けるところまで行ってみよう」というスタンスです。理想は予想的中率100%です(あくまでも理想であって実際の目標は70%ですが、限界を自分で決めてしまうのは勿体無いと思っています)。

 考え方は人それぞれで、限界をある程度で決める方は現実をシビアに見る方なのでしょう。それが間違っていると言うわけではありません。

 「回収率と的中率のどちらを重視するか?」という問いに対して、私は「的中率」と答えています。

 的中率重視と言っても、例えば、出走馬全ての単勝を買えば的中率は100%になりますが、そういう回収率度外視かつ美しくない馬券戦略は当然ながら立てません。感覚的な表現ですが、私の馬券術に照らして、それなりに回収が見込める買い方をしながら、できるだけ的中を求めるということです。どうしても利益が見出せなさそうなら回避するか、小額にします。

 回収率重視と言ってしまうと、当たっても割に合わない馬券を買わないように戦略を立てる方向に進んでいくでしょう。前に無料レポートにも書いた例ですが、勝つ可能性が2割あると思える馬の単勝が7倍ついていて、一方、同時に勝つ可能性が5割あると思う馬が単勝1.7倍だった場合に前者の馬券のみを買うことになりますが、結果、5割勝つと思った馬が勝って馬券が外れたら、私はつまらないのでモチベーションが低下してしまいます。この場合、単勝は買えないので、3連複など他の馬券種でそれなりに回収が見込める買い方を選んでこのレースに参加します。

 言い換えれば、目の前のレースを「絶対に的中させてやろう」と思うか、「当たらなくてもいいから妙味のある買い目だけ買おう」と思うかの違い。どっちが良いのか判断するのは人それぞれですが、私は予想の限界を大きく見積もっているので、前者の全力投球派ということです。

 ここまで書いてきて、当たらなくてもいいからと割り切って穴馬から馬券を買えば相当儲かるような気もします。当てたいと思うから、人気馬に振り回されてしまう部分もありそうです。

 でも。それは軸格付け等自分の理論等、納得できる方法で克服すべき誘惑であって、予想の精度追究を諦める方向には行きたくありません。

 何でそこまでして自分は予想の可能性を信じるのか、というのを考えると、「予想を芸術に」という話にまたつながっていくのですが、それとともに、メディアに出ている予想家で前者のスタンスの人はいないのではないかと思えるのです。つまり、後者で行ったら、自分もああなってしまうのではないかという危惧が理由です。

 土曜日の深夜の「みんなのウマ倶楽部」という番組で、スポーツ新聞6社の予想家が各紙1名ずつ参加して予想をするコーナーがあるのですが、年始から始まって先々週まで6人全員が外し続けました。でも、予想なんて外れることもあるさっていうムード満々でしたよね(いや、そうしないと番組として盛り上がらないということはあるけれども)。一人の予想家の話す時間が少なすぎる番組側の問題もありますが、新聞各紙も400円も取る専門紙として恥ずかしくないのでしょうか。まあ、当初の契約で人を代えたりできないのでしょうし、あれで成り立っているのですから競馬を取り囲む空気的には問題のないことと見られているのは想像に難くないです。

 そしてますます、ほしのあきや浅い競馬ファンに「競馬って、やっぱり専門家にも予想できない、何でもアリの世界なんだ☆」って思われてしまう。そっちの方角は各々が独自の予想を楽しめるっていう面白みを拓くように見える一方で、私が目標とする「芸術」の道から遠ざかることでもあります。予想という大きな山が崩れてしまうのです。登山道(方法論)は違っても、予想で行き着ける高い極みがあるという感じになりません。そもそも、山がなければ予想の道に行く人は結局いなくなるのです。

 そして、そっちの方向には大数の法則と控除率の話があり、「競馬に参加=ギャンブルで散財=馬鹿じゃないの?」というバッドエンドの流れがあります。

 先日、経産省次官がデイトレーダーについて、「本当は競輪場や競馬場に行っていた人が、パソコンを使って証券市場に来た。最も堕落した株主の典型だ。バカで浮気で無責任というやつですから、会社の重要な議決権を与える必要はない」などと発言して、デイトレーダーや市場関係者が怒ったという話がありましたが、そもそも競馬をやっている人を馬鹿にしていること自体が冗談じゃないですよね。

 その流れを止めるには、予想家や競馬ファンがより高い予想山を抱かなければならないと思います。これによって、登りつめたと広言する悪徳業者も出てくるでしょうが、それは競馬ファン一人ひとりがしっかりと自分の予想道を歩んでいれば、大きな問題ではないでしょう。

 「予想の可能性を信じる」と言って突き進んでみます。

 的中率重視って、最終局面では最強なんですよ。荒れるレースも諦めているわけではないですから。そこを取って、堅いのも取る。それが一番ではないでしょうか。

 第四期は荒れる所で取れていないので、全く実績が上げられていません。その現状は残念で情けなく、ご期待されている方々には大変申し訳なく思っています。それでも、継続できていることは自分でもよくやるなぁと思いますし、他では見られない連続ドラマ予想をお送りしている自負はあります。

 皆さんも、自分にしかない道を切り拓いて、高い頂きを目指してください。その道の所々で、私の道が交差すればいいなあと願っています。

2008.2.23