前回記事はこちら「競馬及び競馬ファンの社会的地位向上に係る検討」

(ワックスムーン)
競馬予想、競馬予想家が、例えば棋士と同様に語られない、位置付け難いのは、競馬予想そのものは主体的に行うものであるが、競馬予想の結果とリンクする競馬のレースそのものに対しては絶対的に傍観者に過ぎないという点が大きいかもしれない。
傍観者が賞賛される世界というのは、基本的にないはず。ミュージシャン以上に音楽評論家が賞賛されることは決してないように。
予想家は確かにトレーダーとかに近いのかな。金儲けのためにやっていると思われるなら、なおさらかな。でも、トレーダーとも違うのは、その行為が、市場に影響するものであるのに対し、予想家のそれは、競馬のレースとは無関係なんだよね。

なので、厩舎や騎手に使うべきレースやレースの戦略を指南したりする、戦略家みたいな存在がいれば、それは賞賛されるかもしれないね。コーチみたいなもので。
それが調教師なのかもしれないけど、よく分からないレースを使ったり、下手な乗り方をしたりで、競馬そのものが、あまり洗練されているスポーツの世界ではないという気もするね。行き当たりばったりの世界というか。馬主の自由になる部分も多いから仕方ないのかもしれないけどね。

将棋は棋士同士の争いであるのに対し、競馬予想は結局のところは個々の戦いとなり、究極的に戦うべき相手は自分自身しかいないので、予想家に優劣をつけるのが非常に難しい。
回収率だけで予想の優劣を競い難いのは、前の議論のとおり。

野球選手以上に野球解説者が注目されることはない。
ただし、野球解説者は過去の名選手の再就職口となり、一定の地位を認められているのは、野球がスポーツとして国民に認知されたものであるからかもしれない。
競馬は、競馬そのものの地位が低いので、競馬予想家の地位もそれに比例して低いのはある意味当然のことで、競馬に対する悪いイメージ、いわゆる他のギャンブルと同じという、単なるばくち、手を出すと身を滅ぼすものというイメージを少しでも拭う努力が必要になるだろう。競馬の地位が向上すれば、それに比例して予想家の地位も向上するはず。
C>A>Bかな。Bは、CとかAのための具体的手段という感じもするので。

(スカイポット)
競馬予想って何なのだろうという根本まで考えさせられるコメントありがとうございます。
将棋は主体的だが競馬予想は絶対的に傍観者に過ぎない、との話ですが、競馬予想によって予想が的中するかしないかは、主観による判断を伴うため、主体的な関わりがないと言えないのではないでしょうか(むしろ、ファンが予想という形で主体的に参加できるのが競馬の醍醐味では?)。
レースの結果に対して主体的に関われないというのは確かにそうなので、論点がずれているだけな気がします。競馬には、純然たるレース結果の世界と、予想の世界とがあって、後者に対して競馬ファンは主体的に関われるということでしょうか。

予想の世界の競技は、直接に戦うことができませんが、以前分類したように、フィギュアスケートのように何らかの評価基準を作ることで、その優劣を競わせられる余地があります。
と、考えていくと、競馬予想のプロという存在は、現状、その競技の優劣の評価(ルール)がなく、しっかりとした枠組みがないという宙ぶらりんなところにいるにすぎないということになりますね。だから第三者から尊敬されることも賞賛されることもないと考えると納得です。
プロには、ここのところを整備することの危機感がないのでしょうか?もしくは、予想力に自信がないから放置しているのでしょうか?

(ワックスムーン)
指摘のとおり、予想をするという行為については、方法はいろいろあるにせよ、完全に主体的だね。レースに対しては馬券を買った1ファンなので、レース結果を左右する存在ではないというだけで(苦笑
なので、競馬は他のスポーツ観戦よりも熱くなれるのかもしれないし、そこが魅力の一つだと自分も思っているし、実際かなり熱いよね(笑
競馬予想については、プロのライセンスがある訳でもないし、予想5段とか、そういうものもないので、他者から認められにくいというのはあるよね。
そこを整備しようという動きがあったのかどうかだね。

(スカイポット)
自分の知る限り予想を競技として整備しようとした動きはないと思いますね。IPAT馬券道場の段位がJRAの枠を超えてライセンス的に扱われることはなさそうですし、競馬検定も単なるクイズ。ウマニティの予想コロシアムはよく出来ているとは思いますが、あれはウマニティのビジネスモデルであるし、予想力の評価がおそらく単純回収率に大きく拠っていると思うので、そこでプロ予想家認定されても、継続的に精度の高い予想を送れる方はかなり限られそうで、予想家の評価を上げる効果はあまり高くないのではないでしょうか。

あと、現在の予想家は、競技者ではなく、コンサルタント的な仕事をしているのであり、コンサルタントは基本的に顧客のためだけの活動をしますから、社会的な賞賛を得るというのとはそもそもズレているということなのかも。
ただ、コンサル的な方向でも、他の専門家が何やろうが構わないというスタンスでは業界全体のイメージが悪くなってしまいます。例えば弁護士には弁護士会があり、会計士には会計士協会があり、税理士には税理士会があって、問題を起こす者を処分して、その信頼性を維持しているように、競馬予想家にも何か自主規制がないといけないように思いますね。

予想業界を含めた競馬界に貢献することを考えていけば、競技としての方向性で整備するか、協会を整備するか、どっちかは少なくとも必要なのではないでしょうか。

(ワックスムーン)
なるほど、コンサルタントか。確かに社会的な賞賛は得られないかな。他の顧客から注目を浴びることはあってもw
予想家の世界にも自主規制機関があれば、自浄作用も出てくるし、協会に加入していない=信用性が低いという構図もできるだろうから、その試みはいいかもしれないね。
壮大な計画のようだけど、それが実現できないと、いつまでも今のままという気がするし、JRAが音頭をとってくれてもいいと思うけどな。売上げ減を嘆いているけど、競馬の世界をより良いものにする努力をしているとは思えないので。WIN5とかで配当が大きくなりますよアピールは確かに新規顧客の開拓にはなってるだろうけど、競馬のイメージは一向に変わらないからね。
協会のようなところができれば、予想を事前に明かすと会員その他への影響が大きいという点も、協会が予想精度等を審査して、予想家をランク付けするということも出来るだろうし、いいかもね。
後は、毎度のことながら、そのランク付けの基準をどう作りこむかということになるんだね(苦笑)

2012年04月07日