以前、「「なぜハマる?「ギャンブル依存の原因」を心理学で解明!」を読んで」、及び「「彼をギャンブル依存から完全に脱却させる効果的な方法」を読んで」という記事を書きまして、それ以降コンスタントに表題の検索ワードで来られる方がいるので、再度、このテーマについて整理しておこうと思います。

 彼が競馬をやっていて、彼女(あなた)がそれをやめさせたいと思っているというシチュエーションとして、まずは、彼の状況を分類して進めていきます。

A.彼は競馬(パチンコ等を含む)をやめたいけれどやめられなくなっている。
B.彼は(負けると落ち込むことはあるが、全般的に)競馬を楽しんでいる。

 Aの彼は、ギャンブル依存症の可能性が高いので、病気という認識をもって、継続的にゆっくりと脱却させる必要があります。本当に重症であれば、施設に入る等の対応も必要かもしれません。ただ、競馬だけをやっている場合には、レースの数や開催日が限られており、パチンコのように自分の意思でいつでもでき、延々と続けられるものではありませんので、深刻な依存症に陥っている方は多くないと感じます。パチンコもやっているのであれば、パチンコのほうがはるかに深刻になりやすいと思われますので、そちらのケアをしてください。「パチンコは麻薬」「ワンデーポート」体験談は全てパチンコ絡み)等、依存症を扱ったサイトもあります。
 Bを選んだ方に次の質問です。

C.彼は借金をして競馬をやっている。
D.彼は自分のお金(収入の範囲内)で競馬をやっている。

 Cの彼も、依存症の疑いがあります。依存症でない場合であっても、金銭感覚が常人とは異なっているので、平穏な家庭生活を望む方は、将来のことを考えると敬遠したほうが良いかもしれません。借金をしてギャンブルをすると心理的に追い詰められ冷静な判断ができにくく、負けた分を取り返そうと安易に勝負をして傷を広げやすいなどの危険があります。競馬に絶対はありませんし、なくなっても良いお金で臨むのが基本です。
 Dを選んだ方に次の質問です。

 あなたは彼の競馬をやめてほしいということですが、なぜ、やめてほしいと思うのでしょうか。彼が競馬を楽しんでいるのであれば、彼はそれをやめろと言われても抵抗するでしょう。やめてほしい理由を明確にして、論点を絞って話し合いましょう。また、あなたの競馬に対する理解も深めておく必要があります。
 以下のうちから、やめてほしい理由に該当する項目を全て選んでください。

E.ギャンブルは続けると絶対に儲からない(お金をドブに捨てている)から
F.ギャンブルをすることは悪いことだから
G.金銭面が心配だから
H.依存症が心配だから
I.時間の無駄である(自分との時間が少なくなる)から
J.その他、負けると彼の機嫌が悪くなるから、など

Eを選んだ方へ
 競馬はギャンブルですが、技術が介在するため、必ず負けるギャンブルではありません。かならず負けるという人はその根拠として、大数の法則(回数を増やせば増やすほど、回収額は期待値(胴元の取り分である約25%分マイナス)に収束する)があると言うのですが、競馬の配当はファンの賭け金の多寡によって決まるものであり、当たる確率と直接には関係がありません。
 確かに、強い馬には人気が被るようにファンの目も肥えてきていますので、控除率は非常に高い壁ですが、馬券で1億円以上儲けて、税金を払っていないと裁判沙汰となった人もいますし、何より私が事前予想でプラスになる予想(H24、H25、H26)を配信しているように、予想技術を向上させることで必ず負けるものとは言えないのです。
 もし、彼の収支が悪すぎるのであれば、予想の勉強が足りないです。やるならプラスになるように真剣にやりなさいと言って驚かせてはいかがでしょうか。
※なお、偶然で決まるギャンブル(宝くじ、ロト、ルーレット等)は、大数の法則が該当するので、長期的に行うと必ず負ける方向に収束することに異論を持っていません。

Fを選んだ方へ
 競馬は競馬法に基づき、国から行うことを認められているギャンブルであり、違法な賭博ではありません。日本では、賭博をする人間をはみ出し者と軽蔑してきた歴史があり、現在も社会的に軽視されていると思うことが多く、競馬ファンもそれを感じています。そこで、恋人からも理解されないとなると、「世間一般と同じ物の見方しかできないのか」と残念に思い、とても孤独を感じるものです。やめてほしいと思うなら何か追加的な問題があるのでしょうが、競馬=悪いものという考え方はどうか捨ててください。

Gを選んだ方へ
 ギャンブルは大金を一瞬で失うことができる娯楽ですので、当然、心配になることはわかります。これについては、実際の彼の状況によると思います。目安としましては、自分の収入に見合わない金額(おおよそ、月収の半額以上)を馬券で負けている場合は馬券の買いすぎです。競馬は小額からでも楽しめるものですから、もしそのような状況でしたら、彼としっかり話をして、レートを下げてもらうこと、買うレースを少なくする(厳選する)ことを提案してみてください。将来を考えれば貯金も必要でしょうから、二人の将来について、一緒に話しても良いかもしれません。
 彼の収支状況がわからない場合には、競馬を一緒にやってみてください。そして、購入馬券をレース発走前に確認することです。事後的に確認すると、外れ馬券を隠して報告される可能性がありますので、事前にというのがポイントです。全てオープンにさせることが重要なので、隠れて馬券を買うことを予防するために、隠れてギャンブルをする人は嫌いだというようなアピールをしておくのも有効です。1日2日では、全て不的中ということも普通にありますから、これを、少なくとも3ヶ月くらいしっかり続けて把握してください。その上で、あまりにも当たらないのであれば彼に相談するのが良いでしょう。レートを下げてもらうこと、買うレースを少なくする(厳選する)ことを提案してみてください。実際に収支をつけられていたら、彼としても止むを得ないと思うでしょう。また、彼が上手であれば、貴方も面白いと思うかもしれません。
 さて、上記のいずれにしても、なくなっても良い金額の範囲で、娯楽として楽しんでいるだけと割り切っても良い程度であれば、特に問題に考える必要はないと思います。

Hを選んだ方へ
 Aを選んでいないのであれば、今は大丈夫という方を前提に話をします。
 依存症になりやすい、なりにくいというのも人それぞれなのかもしれませんが、賭ける行為をしていないと気がすまないというのが依存症です。
 もし、彼が競馬以外にもギャンブルをする人であれば他のギャンブルをやめてもらう、または数ヶ月でもギャンブルをしない期間を設けて彼が耐えられるのかを試す、という実験をしてみるのはいかがでしょうか。
 前者については、既に述べたとおり、競馬だけで依存症になっているような人は、少なくとも私は見たことがないので、依存のリスクが高いパチンコはやめてみてもらうというのが良いでしょう。競馬でプラスにしようと思うなら、他のギャンブルにうつつを抜かせるほど暇な時間はありません。
 後者について。私は年間で2月頃から7月頃までの半年間、馬券を買いません(G1を買うことはあります)が、それでも何も苦になりません。それくらいの付き合いができるなら依存とは程遠いでしょうから、例えばG1の少ない1~3月や7~9月を馬券休止期間にさせるというのも良いでしょう。

Iを選んだ方へ
 これは、私も気をつけなければならないと思っているところです。競馬予想の取り組みが楽しくてしょうがないので、ついつい作業に没頭してしまうことがあります。ですから、この理由でやめてほしいと思う女性は多いのではないかと思います。
 しかし、この理由を明確にしないで、競馬をやめてほしいというのは賢明ではありません。彼に対し、あなたは競馬を取るのか、私を取るのか、といった選択を求めるようなことになるからです。彼にとって時間を忘れるほど好きな競馬とわざわざ対決する必要はないですし、彼としても、その答えには「両方とも大事だ」としか答えられないのですから。
 この解決法としては、彼女側も競馬を一緒にやってみて、お互いの楽しみにできれば一番ですので、まずはその方向を模索することです。それが難しいと思う段階に至れば、「私との時間も大事にしてほしい」と相談して、うまく折り合わせることです。まともな彼であれば、ちゃんと向き合って考えてくれると思いますよ。

Jを選んだ方へ
 他で考えられる理由としては、競馬に負けた時に機嫌が悪くなって彼女に当たるなど、彼の競馬への接し方が悪いために心象が悪くなっているケースが考えられます。
 この場合は、「そのような姿を見ていると、私は競馬を嫌いになるし(馬券を買うことを許せなくなるし)、あなたも嫌いになる」ということを伝えて頂ければと思います。まともな彼であれば、彼女に競馬を理解させるための努力・配慮をしてくれると思います。

 以上、表題に関する追加のメッセージでした。競馬の魅力は、ギャンブルとしても、技術によってプラスを目指せる(その技術は様々な予想要素によって語られうる)といった深さもあり、また、馬という生き物が主役であり、スポーツやレジャーとしても楽しめる側面もあります。是非、二人で協力して、楽しめる趣味にして頂ければと思います。

 想定していないケースなどで個別にご意見等をされたい場合はコメント欄かメールでご連絡ください。

2013年11月25日