競馬予想家協会を設立して約半年になります。この間、自らの予想期間に入り、予想配信も行っているため集中できていない状況ではありますが、目についた方や実力がありそうな方に対し、当協会へのご理解、ご支援、ご参加を呼びかける等の活動を行ってきました。

 とりおやこさんに成績開示予想者の登録を完了して頂いたことや、ランキンさん、ドステさん、カピバラさん等が登録を目指すことを公表されたことは、大変嬉しく思います。その中でも特に、既に有料予想を行われているドステさんの参加表明は大変勇気の要ることで、有料予想家が全て排除されるものではないということを証明してくれました。

 成績開示予想者の登録システムが、有料予想家には高いハードルなのだろうことは、当初から想定していたことです。予想成績が開示されることにより、自らの予想力が露呈されるため、実力を誇張して広告をされている方はもちろん抵抗があるでしょうし、予想内容が優良な方でもその重圧に耐えられる方でなければならず、成績をしっかりつけられる対応力がなければなりません。要約すると、「誠実な予想者」でなければ無理だと思っていました(予想力の基準に納得がいかない方がいることも留保はしますが、おそらく的中率が安定しない方でしょうから、極端なマイナス収支に陥る等のトラブルを起こしてしまいやすいと思います)。

 周知活動は主に、個人の予想家(または特定の予想家の色が強い業者)に行っています。予想会社でもまともなところはあるのかもしれませんが、ウェブサイト、ブログ等を見て回って、外観上そう思えるものは見つからなかったためです。この探索は、なかなかにこの業界の問題の根の深さを感じるものです。個人の予想家は、有料であれば大抵、これを叩くサイトや情報がありますが、そのクチコミも悪徳業者が行っている可能性があるのです。悪徳競馬予想サイトを糾弾するサイトはたくさんありますが、そのサイト内に優良競馬予想会社のリストがあれば、自作自演の可能性が高いと考えられます。

 悪徳競馬予想サイトを糾弾するサイトには、有料予想で被害を受けたという方の書き込み等がありますが、その予想家さんが不調の時期だっただけで、運悪くマイナスになってしまった可能性もあり、被害者の意見だけでその予想家の価値を測ることはできないとも考えます。しかしながら、的中実績をこれでもかと書き、プラス回収であることを謳って宣伝広告をしていれば、それを見て入会した顧客が、結果が出なかったことで騙されたと思う心情は理解できますし、予想家側の自業自得であるとも言えます。アンチが発生するのも、大抵は宣伝広告の仕方に問題があると思われます。

 例えば、「競馬データぶろぐ」を運営されているコリフ氏という予想家がいます。情報収集をしたところ、彼は、レジまぐでの宣伝記事を見るに予想に真摯な方のようで、現在の今年の予想成績はマイナスですが、それを隠さず開示しているところは評価できると思います。ただ、2013年の成績(回収率129.5%)は12月までマイナスだったところ、レートを一気に上げたタイミングで好配当が当たっただけとして叩かれています(参考リンク「競馬予想悪徳サイト撲滅へ!有料情報検証ブログ」(リンク切れ))。これは、予想レートを上げることもあることを事前に公表していなかったことに原因があるのでしょうし、その回収率を悪びれることなく宣伝に使うことで、レート上昇に対応できなかった顧客の反感を買ったことは明らかです。

 例えば、「破滅へのカウントダウン」を運営され、馬券攻略本を何冊も上梓されている半笑い氏という予想家がいます。彼は過去の好成績や高回収率を宣伝文句にしていましたが、プラスの時は成績を開示していたのに、マイナスになったら開示しなくなったといった内容で批判されていました。hanfanfan7氏のnote詳しいですが、ツイッター発言等への人格攻撃とも取れる内容は行き過ぎと思われつつも、意外と合理的な観点で半笑いさんを批判しています。アンチが増えすぎたからか、半笑い氏は「お詫びとお願い」という記事で「私は明確に「実力が期待値マイナスの予想家」」であると明言し、プラス収支に期待して購入された顧客に謝罪をするところまでいきました。ここまで追い詰めたhanfanfan7氏らアンチの執念はおそるべしですが(hanfanfan7氏は更新を止めた模様)、予想で事業を行われている方や考えている方は留意すべきでしょう。

※上記の方々について、当方のスタンスは中立です。批判内容の真偽についてコメントするつもりはありません。問題は、もっと直接的な悪徳業者にあるのです。

 顧客やアンチ絡みのトラブルが発生されてしまうような方こそ、競馬予想家協会に参加して頂くべきなのではないかと、私は考えています。予想家は、その時の予想の調子が良ければ鼻が高くなり、そのテンションで顧客にアピールする宣伝広告を発信してしまいがちです。これを真に受けた顧客からすれば、その後の結果が芳しくない場合、騙されたと思うのも仕方がない面があるのです。自分の予想実績はこういう内容です、更に、このような予想文を書いていますということを開示しておくことは、予想家によって非常に大切な防衛ラインを引くことでもあるのです。私だって、来年もプラスの予想を行えるかはわかりません。

 競馬予想家協会にも穴があるかもしれませんが、今後もできるだけそれをなくして、誠実な予想者であることを証明する場としての存在意義を確立したいですし、誠実な予想者が集まって、競馬予想の技術を競う場にできればと考えています。著名な予想家さんにアプローチをかけるまでは時期尚早だと思いますが、いずれはそういった方にも認めて頂きたいです。

 この活動は当方にとって収益事業ではありません(無償奉仕です)。そして、競馬ファンの一人として、誠実な予想家を明らかにしたい、実力のある予想家をより客観的に見出したい、応援したいという思いから行っています。業界やマスコミ関係者の方も、ご興味を持っていただけたら、何らかのご助力を頂ければ幸いです。

2015年12月27日