競馬場において、ゆっくり競馬を観戦したい、特にゲストを呼んで競馬の魅力を伝えたいと思った時に必要となるのが観戦席の確保である。以前にも馬券のポイント化等による高額馬券購入者に対する指定席の優遇を提案しているが、認められる気配はない(組織において大きな変革を行うことは、難しいものである)。

 一般のファンがGⅠ等の来場者の多い開催日において座席を確保しようと思うと、開門ダッシュを避けられない。指定席を購入するという手段もあるように思われるが、実際には需要が多すぎるため、指定席券購入窓口への開門ダッシュに変わるだけである。更に、指定席では参加者全員が揃っていることが条件なので、参加者全員が朝から行かなければならず、ゲストを呼ぶ場合には更に使いづらい。開門ダッシュは体力のある20代であれば特段の問題はないかもしれないが、それなりに年季が入れば困難である。

 馬主になれば問題ないが、中央競馬の馬主になるための条件は、①年間所得額が2年連続1700万円以上、②資産額が7500万円以上、というのだからハードルが高すぎる。一部の競馬場の屋外観戦席やWINSにシルバーシートが設けられているところもあるが、私を含めその年齢に達していないファンも多いだろう。

 このような状況から、お金はあるけれど座席を確保したいのにできないというファンは相当数に上ると思われる。このニーズを満たすためのサービスを行って頂くよう、切に願うところである。お金を取るということが露骨であれば、来場ポイントを指定席確保のために使える等としても良いだろう(JRAカードにおいては、1枚のカードで2名までの予約しかできないという制限を解除してほしい)。

 また、指定席に関連して、皐月賞観戦時にランキン氏(一口でイスラボニータで持っていて、皐月賞勝利されました)が話していたアイディアが斬新であったので紹介したい。そのアイディアとは、競馬場において指定席や来賓席というと、スタンドのより上の階に設置されているものだが、コースにより近い所に設置してはどうかというものである。

 競馬場の場所取りにおける人気スポットは、無料の観戦席に続いて、コースに面する側の最前列である(いずれもゴールラインに近いほうが人気)。観戦席のあるスポーツでは、近くで見える席の値段が高いのが普通であるし、馬の写真を撮影したいファンも相当数いるので、マスコミ等のカメラマンよりは後ろの位置かつ観客席の前に数列分の指定席を作れば、5千円以上としても買うファンはいるのではないかと言うので、まさにその通りと思ったところである。

 来場者が多くなると仕方のないことではあるが、多くのファンが地べたに新聞を敷いて座り込むという光景は美しいものではなく、座席が確保できなければ気軽に競馬に興味を持ったビギナーを連れてくることはできず、結果的に競馬のイメージアップを阻害する要因と考えられる。これからスタンド改修が行われる中山競馬場では間に合わないかもしれないが、今後、改修を行う際には、とにかく至る所に座席を増やすことをお願いしたい。

2014年04月24日