先日、エノさんから頂きました表題にかかる競馬場の達人DVDを拝見しまして、ようやくタイミングが得られ、感想を書かせて頂きます。
総帥が訪れたのは2008年9月6日札幌競馬場。
1R 芝1800m
2歳未勝利戦が組まれていました。シェーンヴァルトが勝ったレースですが、総帥の本命はアグネスタキオン産駒のロイヤルクリッパー(1番人気)。とても自信があるようでしたが、8着に惨敗。展開が12.5-11.4-11.6-12.0-12.1-11.9-12.5-12.8-12.5と厳しめの流れのところ、好位から失速してしまいました。
外枠とコーナーでのロスを加味したこの時の指数(第五期天星指数)は53.6で、その後若駒戦期間で6戦し、ほぼ同じ指数で走り続けました(10/5 54.5、11/23 50.9↑、12/21 53.8N$、1/24 53.2、2/7 53.7NS、2/28 47.0)。その意味で総帥の「すごく真面目な顔してるし」という評価はあるいは正しいかと思いますが、結局強くなかった馬ですので相馬眼としては失敗の例でしょう(総帥は直後に敗因を疲れと分析されていますが、指数からすればほぼ全力を出し切っています)。紐に選んだ4頭中で1,2,3着が決まったのは流石です。
2R ダ1700m
「ダートの場合は、後ろ脚で蹴って進むんですね馬っていうのは。だけど、前脚でも走ってるの。で、後ろ脚ってのはボンと滑るんですけど、前脚は滑んないから、前脚をうまく使える馬はダート向きなんですね」
そのまま聞くと分かり辛いのですが、走法分析法を固めてきた今はこの言葉が理解できます。換言すれば、前脚でしっかり地面をつかんでいる掻き込みタイプの馬のほうがダート向きということです。
5頭ボックスで的中。
3R ダ1700m
総帥が購入したコスモザグレートが出走。筋肉が硬くて駄目、買うときにはわからなかったとのこと。
愛馬の応援のため、遊び馬券を購入し、不的中。
4R 芝1200m
2歳新馬戦。1番人気のイイデエースの飛節が伸びない点について、「地面をもっと後ろに蹴れって言いたいわけ」と実演。「後ろに蹴れる体型にできてればグオンと最後までグオンと蹴ったらギュッと進むから当然強いはずなんだよ。ところが飛節が伸びきらないために蹴る前にもう返しにかかっちゃうの」「飛節が深いから、曲がっているから、トモが中に入りすぎちゃって、それが入りすぎたやつをあっ入りすぎたっつって、地面に下ろせって言いたいんだけど、前に行きすぎちゃって、下ろすのにロスがあるの」と力説してくれています。
不満を言いながらも馬券はイイデエース本命で単勝1万+馬単。結果は2着不的中でした。単勝は1.6倍でしたから、本当に自信がないのに何故という気がします。馬単だけにするか、馬単を馬連にするほうが良かったような。と、ここまでは総帥の眼と考えをいまいち信用できず。
5R ダ1700m
的中。コーナーロスについて解説されていました。
6R 芝2000m
「2000mは、エネルギーをロスするんですよ、体型にミスのある馬って」と、中長距離戦の予想を指南。理想的な体型を見極められるようにするには、写真でも、ビデオでも、名馬のビデオをずっと見続けると良いとのこと。これから勉強しましょう。
大外16番のマコトボムケッチを軸にして、「1角までが勝負」と言った総帥でしたが、痛恨の出遅れ。これは不運な惨敗でした。
7R ダ1000m
体型的にミスがあっても、その日の体調次第で好走してしまうため好きではないそう。体型的に1000m向きと推したモエレフェミニンは10番人気の馬でしたが5着に頑張っていました。
「筋肉は量じゃなく質」、それが見極められるかがプロとアマの差と断言されています。「短距離馬って胴が長いの」という持論も展開。普通に言われているのは長距離馬のほうが胴が長いということなので、どちらが正しいのか今の私には不明。
3頭に絞り、的中。
8R ダ1700m
馬体重について解説されていました。(能力的に)成長する馬は徐々に体重が増える。
アグネスデジタルの仔は筋肉量がなくとも質が良いのでよく追い込んでこれる(メジロオマリーについて)。
的中(1着馬から2~4着への流し)し、収支は大幅プラス。
9R 芝1800m HBC賞
能力拮抗のレースであり消せる馬が少ないとしながら、「フェスティヴナイトはトモの付く位置がちょっと良くないのと、他の馬より収縮力がちょっと落ちる気がする」等の見極めで、4頭に絞る。
的中(1~4着馬の馬単ボックス)。
途中、コスモバルクの話、ジェラルデインツウの話など。
10R 芝2600m 富良野特別
マイネル軍団の馬が3頭出走。しかし、どれも信頼できないということで馬券は「見」として応援に徹する。
11R ダ1700m 層雲峡特別
ジェントルフォークを本命にしたが、仕掛け遅れで敗北。
12R 芝1500m
冒頭で枠の有利不利を解説。13番のトラックワンダーについて、能力では1番だが、外枠なので不利と言っていたところ、実際に2番人気8着に惨敗した(これはアナログで予想している人には常識)。
「ただ、(トシザユカは)水平尻で、本当にいい馬というのは、もっとお尻が斜めになっていて、蹴るときにお尻も腰も中にグッと入ってくるのがいいわけ」
走法分析では前脚中心に分析してきましたが、後脚ももっとよく見る必要がありそうです。
総帥の馬券は的中。マイネベクルックスの最後の差し脚には、見ているこちらも力が入りました。総帥も愛馬が絡んだ馬券でしたから、「津村(騎手)だもんね。津村はやっぱりやるもんね」と、ご満悦でした。
最終結果は、的中率50%、回収率121%で4万円のプラス。
「この道で僕が損したんじゃ馬券は儲からんって話になっちゃうから、僕が真剣になって儲けなきゃ駄目ですね。単なる一般の人たちから見るとギャンブルなんだけど、ひとつの道をずーっと模索すると、凄く深くて、ある程度深い洞察力というか、オーバーに言うと哲学みたいなものまで持つくらいなこと考えないと、なかなか神様はヴェールを脱いでくれないなと思っていて、そのことを長くずーっと35年間、夢中でやってきて思うことは、色んなファクターがあって決まることで、小さな小さな積み重ねがレースで結果が出るということで、その小さな積み重ねのファクターをどれだけ自分が把握できるか、どれだけ洞察できるかという問題なんです。それは哲学的なものも考え合わせないと、なかなか本当の、走る馬は作れないんじゃないかなと思ってやっていているんだけど。たかが馬、されど馬なんですよ。」
時に爽やかに、時に情熱的に語った総帥。
今後は、日英のダービー制覇を狙いたいとのことですが、まずはグランパズドリームで2着だった悔しい思い出を上書きしてもらいたいですね。
マイネル・コスモ・セゾンらの馬は血統的に評価されにくいため、馬券を買う我々ファンにとっても頼りにしたいところ。
今後のご活躍をお祈りしつつ、我々も負けないようにそれぞれの眼を磨いていきましょう。
2011年03月05日