このコーナーでは、ディープインパクトやブエナビスタのように、本当に強い馬について、クイズで取り上げるなどして、(純粋)能力についてご説明してきました。

私の理念として、ビギナーのレベルにおいて必要なスキルは、どんなにオッズが安かろうと、強い馬を強いと評価できることだと考えています。

誰が見ても強い馬に対して「強い」と言うことに勇気が要るのか疑問に思われるかもしれませんが、「競馬は穴馬券を取らなければ勝てない」と教わり、馬券的に儲からない馬を嫌うことが、全ての予想において採るべきスタンスであると勘違いされてしまう方がいます。

そうすると、初期から的中率により回収率を求めてしまうことに繋がり、外れるほうが普通という、大雑把な感覚になってしまうおそれがあります。

強い馬を強いと言う勇気。例えば、先週末に初勝利をあげたエピセアロームという馬がいますが、この馬を強いと言い切れるでしょうか。

関西開催の未勝利戦を6馬身差で楽勝したというのは、2008年のセイウンワンダーを想起されるところですが、その時のレースと比べても持ったままだった今回のほうが内容は上に見え、重賞を勝てる器であり、(これから他に出現してくるライバル次第ではありますが)暮れのG1でも勝ち負けに持ち込める可能性も十分あるようにも考えられます。

しかし、その一方、全体時計及び上がり1Fが遅いこと、スピードの違いで先頭に立って持ったままだった内容が、ルミナスハーバー、エイムアットビップのようなスピード旺盛で強く見せつつ追っても長く伸びない加速SHPタイプかもしれないというおそれもあります。そして、馬場がやや重であること、楽勝でもメンバーが弱かっただけではないかというレースレベル面についても留意すると、絶対的に強いとは今の段階では言えません。

それでも、レースごとの相手関係を見つつ、抜けていると評価することはできるくらいの強さは感じられます。

ディープインパクトやブエナビスタも、新馬戦や未勝利戦時代がありました。前評判では強いと騒がれていながら、その後全く活躍しない馬も少なくないところ、初期段階で強いと言うことの勇気と感覚を磨いて頂ければと思います。強い馬を(その時々の相手関係なりにでも)強いと断言できることは、予想レベルの向上においてひとつのステップだと思っています。

<参考>
ディープインパクト新馬戦~若駒S頃の私の評価

(年始レポート)
ここがクラシック関連レースに出走していく面々となりそうです。
思い切ったことをしたな〜と思うのはディープインパクトでしょうか。
まだ未知な部分は大きいのですが68★としました。
上積みがあれば怪物、なくても普通に重賞で勝ち負けできると思います。

(若駒S予想時)
登録時でも少頭数だったのにコンゴウリキシオー、ビッグタイガーが回避し、7頭立てとなってしまった。ディープの衝撃というところか。
本命はディープインパクト。指数では既にローゼン、ヴァーミリアン級をもっており、成長していなくてもここでは相手がいない。
68★Sというのは去年のマイル以上の新馬戦でトップの指数で、(短距離でもディープサマーの73★∵、マイネルレコルト71★くらいしか思い浮かばないんだが)アフリカンビートの60★S、サムライハートの58★S、と比較しても食わせ物と呼ばれてしまった馬とはモノが違う。
故障しない限りはまず勝つと予想し、1着から。
ただ、単勝で1.0〜1.1倍くらいのオッズが予想され、単勝、馬単では儲からない。ここは3連単馬券を選ぶ。
対抗と呼べるほど自信のある次の馬は見つからなかった。

ブエナビスタ新馬戦~阪神JF頃の私の評価

(若駒分析ナビゲーション11月番付)
ブエナビスタは新馬戦を見て衝撃を受けたね。超Sペースの上がり勝負でレースの上がり3ハロンが11.3-11.9-11.0なんで、ブエナビスタは11秒フラットくらいで入ってラスト1ハロンは4馬身くらい先頭に迫っていて推定10.3秒くらいで追い込んできてる。個人的に強い差し馬は上がり11秒フラットを2ハロン以上続けて出せるというのが必須条件と考えているんで、それを3ハロン続けて、かつ、ラスト1ハロンが推定10.3秒というのは驚きだよ。
レース内容から危うさは感じるけど、スケールの大きさは感じるな。

(阪神JF予想時)
ブエナビスタについて先に触れておこう。この馬は11月番付で牝馬の横綱に格付けていて、その時に理由も説明したのだが、超スローの新馬戦でラスト3Fが11.3-11.9-11.0という限界値に近い高速ラップなのにもかかわらず後方から末脚を伸ばしていて只者ではないと感じ、未勝利戦でもギアチェンジの速さを見せており全然まだ底を見せていないと考えている。未勝利戦のパフォーマンスを全力で走っていたとしてもメンバー中2位の指数を出しているし、新馬戦の内容から追って伸びないとも思えない。出遅れて後方から脚を余す可能性は若干あるが、外枠を引けているので包まれる心配はないし、キャリア1戦馬が異常な上積みを見せることがなければ、この馬の1着は堅い。改修後の阪神競馬場で行われた阪神JFの勝ち馬ウオッカ、トールポピーはその後もG1を勝っており、そのくらいの器を持っていると思うこの馬に期待したい。

2011.07.26