「あなたの得意な条件は?」と聞かれたとき、貴方はどのように答えるでしょうか?

私はこれまで「2歳秋の東京または京都の1400m~1800mのレースでしょうか」という感じに答えてきました。これも間違いではありませんが、過去の成績を見た結果、「夏の小倉1200mです」と答えるのが妥当ではないかと思ってきました。

過去の成績が良いとしても、サンプル22レースという数字は決して多くないため、たまたまという可能性もありますが、小倉全体(ほとんど1200m)の的中率68%はかなりの安定感があり、自身も苦手意識はありません。2歳戦攻略のスタートダッシュを決めるためには、8月の小倉戦はキーポイントになるのでしょう。

1月や2月にも小倉開催があり、そちらはシーズン外のため考慮しませんが、あまり良い思い出はありません。夏までは小倉だけで走っている馬の指数が予想に用いられるため指数の精度が高い反面、冬になると、他の競馬場を経由して出走馬が集まるので指数の精度が低くなるからと考えています。

夏までは信頼できる指数をもとに予想をしていけば良く、その後は扱いが難しくなるものの、精度は高いため穴馬券につながることもあります。小倉1200mの攻略法について色々考えていたのですが、少し構想が変わってきました。

小倉の指数は、中央開催地に行くと大きく変動(主に下降)することが頻発します。過去七期における小倉2歳Sの勝ち馬と、彼らの次走成績は以下のとおり。

2010年ブラウンワイルド 京王杯2歳S:3番人気12着
2009年ジュエルオブナイル 阪神JF:8番人気11着
2008年デグラーティア 阪神JF:6番人気14着
2007年マルブツイースター デイリー杯:4番人気11着
2006年アストンマーチャン ファンタジーS:3番人気1着
2005年アルーリングボイス ききょうS:1番人気1着
2004年コスモヴァレンチ 阪神牝馬S:8番人気10着

小倉2歳Sを勝利すると、「重賞勝ち馬」と認知されることで人気を背負いやすくなりますが、これまでの歴史を見るに次走で2桁着順に敗れる可能性のほうが高いです。指数においても、中央開催の重賞でも上位を張れる数値であることが多いのですが、結果的には通用するほうが稀です。これを鑑みれば、中央開催地の指数を中心に見ると小倉は特殊条件であり、第八期以降、夏の小倉における指数は中央開催では「NA(参考値なし)」と表記することにします。

しかしながら、小倉の指数が限定的に通用するのが、京都の1600m以下戦です。上記の小倉勝ち馬のうち、ジュエルオブナイルがその後馬券に絡んだのは京都1400m(紅梅S)ですし、アストンマーチャンが連勝したのもこの範疇です。

小倉2歳S2着馬ミリオンウェーブは京都1200m戦(橘S、葵S)で、二桁人気で2連続好走(3連単5万、182万馬券)、コウエイハートも京都1400m(紅梅S)で勝ち、このレースでは小倉で高指数をマークしていたノアウイニングが久しぶりに馬券に絡んでいます(3連単49万馬券)。

更に、小倉戦時に未勝利戦で指数を高めに評価していたフェブスカイとエーティーランボーは、阪神のききょうSで凡走したあと、京都1400mのかえで賞において高額配当(3連単85万、31万馬券)の立役者となっています。

なぜこのような現象が起きるのかを考えますと、やはり小倉と京都は、直線に坂がなく、馬場が軽い点が共通しているからなのではと思います。こうして俯瞰してみれば、小倉で高い指数を出した馬のその後の成績にひとつの流れ、パターンが視えてくるでしょう。今後同様のケースがあれば是非狙ってみたいですね。

なお、ほとんどの場合、この小倉と京都の指数の関連性は基本1400m以下戦で有効ですが、1600mに広げたのには理由があります。第二期(2005年)の小倉2歳S2着馬を思い出せますでしょうか。

この当時から馬流天星メルマガをご覧の方には思い出深いことと思いますが、セントルイスガールという馬がいました。この馬が小倉2歳S以降、再び馬券に絡んだのがエルフィンS(3連単454万馬券)。

この馬がハナ差でシェルズレイを交わして3着に入ったのですが、もしこれが届いていなかったら、67万馬券的中という因縁のレースです(テレビ中継のカメラの角度が若干斜めだったため、当たったように見えたので尚更がっかりさせられました^^;)。この記憶もカバーしておきます。

このとおり、小倉で高指数を出した馬は京都の短距離戦で穴をあけやすいため、夏の小倉における指数は基本NAとしつつ、京都1600m以下戦だけは採用することとします。

これも破壊力を持つ武器になりそうですね。
「小倉猛者の京都リベンジ」
とでも、ネーミングしておきましょうか(笑)

2011.06.04