今週は日本ダービーですね。キングカメハメハとディープインパクトは言わずと知れた2004年と2005年のダービー馬です。ディープインパクトは無敗の三冠馬となり、日本競馬史上の功績という面では圧倒的に上ではありますが、この2頭が同じ年に生まれていたら、どちらがダービーを制していたのでしょうね。

奇しくも彼らは、日本ダービーを同じタイム(2分23秒3)で優勝しているのです。もちろん、馬場における時計の出やすさは日々によっても異なりますから、それを以て甲乙をつけられるものではありませんが、同じ時計ということで、どちらが強いと考えられるかの良い問題を提起してくれているように感じます。

実は、この2頭の優劣というテーマは、能力の見立てにおいて展開をどう考えるかというテーマでもあります。彼らの走ったダービーのラップは以下の通りです。

2004年のラップ
12.5-10.6-11.3-11.5-11.7-11.8-12.5-13.0-12.5-11.5-11.7-12.7

2005年のラップ
12.5-10.9-12.1-12.1-12.3-12.3-12.3-12.1-12.2-11.9-11.0-11.6

ラップの予想要素を理解されている方がこれを見れば、およそ2つの見解に分かれるでしょう。

A.2004年は激流的なハイペースであるから、ある程度の位置でそれを耐えたキングカメハメハの終いの脚力に響いているため、こちらの2分23秒3のほうが立派である(キングカメハメハが強い)

B.2004年はハイペース、2005年はスローペースである。スローペースで2分23秒3でまとめたディープインパクトは、展開が速ければもっと走破時計を縮めていた可能性がある(ディープインパクトが強い)

どちらも、理のある考え方であり正解は不明です。どこで線引きをするかというのは答えが出ないものだと思いますので、哲学的(人それぞれ)なテーマと言ってもよいかもしれませんね。

私は基本的にはBの立場を取っていまして、天星指数はスローリスクと超スローリスクという概念があります。若駒戦前半期や中距離以下では基本的にはそれが機能して、高精度の予想を行うことができていることを鑑みれば、自信をもってBであると答えたいところではあるのですが、これも「可能性」であって、強いと断定できるわけではないという弱みがあります。Aの考え方も、真に極端な例であればそちらに乗ることもあるでしょう(今回のケースでは、キングカメハメハは過度に消耗する程は先行していなかったと見ています)。

皆さまは、どちらの立場をお取りでしょうか?
もしくは、その他の答えをお持ちでしょうか?

さてさて。2頭はこれから、種牡馬として良きライバルになっていくことが予想されます。レースによる直接対決は望めませんが、別の舞台で行われる彼らの対決を、楽しく見させていただきましょう。

2011.05.25