先日まで更新及び書き下ろしました「予想が進化する時」では、私の予想の進化の過程を示すとともに、最近の競馬界全体における予想レベルの向上を指摘し、進化を続けていることを現在進行形で記しました。

しかしながら、自分の予想レベルが上がっていることは、自分の感覚や想像以外で、どう客観的に判断できるものなのでしょうか。

記事にも書きましたが、「回収率」は、1990年代にスピード指数が広まった過程において、その予想技術では次第に儲けが少なくなる現象が見られたように、全体の予想レベルが向上するに伴い、容易に高パフォーマンスを出せなくなると考えられます。これは予想レベルの向上とも必ずしも言えず、ただ皆と同じ買い目を選ぶ予想をしてしまっている(予想法のトレンドに追従してしまっているだけ)という可能性もあります。

それでは「的中率」はどうでしょうか。私の経験上、データ予想をしていた時とアナログ予想を始めたときには、的中率が大幅に上がりました。レースにおいて、軸馬がいるか、その堅さはどれくらいか、そのあたりがわかる技術を持てば、的中率は必ず上げられるという実感があります。

ですから、ある程度までは「的中率(上昇余地含む)」で、判断できるものと思います。しかし、的中率をコンスタントに4~5割に安定させることができるようになった今では、最近2,3年の上達を判断できる指標とは思えません。

極端な話、ディープインパクトのように、1着が鉄板と思われる馬の単勝が5倍もつくとしたら、難しい馬券を選ぶ必要はなく、その馬の単勝1点を買えば良くなります。馬券を選ぶ私たちは、オッズの影響を少なからず受けているため、的中率についても、全体の予想レベルの向上等により、パフォーマンスは相対的に下がってしまうものです。

また、的中率と回収率は相反関係と言われるように、穴馬券を獲ることを目標に、高配当の買い目に特化して馬券を買えば、本命馬券を中心に馬券を購入している人たちよりも的中率は下がると思いますので、スタンスが変わった場合にも的中率は大きな影響を受けます。

しかしながら、この点については、「的中率」×「回収率」のような計算をすれば、両方の要素を評価に盛り込めるので問題ない気がします。的中率が極端に低い場合は、安定するとは思いにくい(一発偶然で当たった可能性を想像してしまう)ですが、高回収率を継続できる予想であれば、それなりの評価は必要だと考えられます。

ということで、偶然を排除する評価方法にするのであれば、母数がそれなりになるまでは評価を留めておくための掛け率(A)を設定するのが良いかもしれません。

最低でも100レースくらい予想した結果くらいが無難でしょうか。母数が100になった時点を上限1とし、y切片を0.5程度においたシグモイドのゴンペルツ曲線のようなS字曲線による掛け率が私のイメージですが、ここでは簡易的にサンプル50で上限に達する二次関数、A=1/5000×予想レース数の二乗+0.5(A≦1)としておきます。

残る課題は、予想レベルの向上について、過去の予想成績と今の予想成績にハンデをつけるか等について、どう考えるかです。

少し考えてみましたが、結局のところ正確な推移を示すことは不可能ですので、毎年競馬予想界における予想力は進化していると仮定して、一律の掛け率(B)を過去の年に設定するのが無難でしょうか。Bは、今回は1年遡るごとに0.95掛け(小数点第四位以下四捨五入)としてみます。

とりあえず、イメージするために式を書いてみましょう。

予想力=的中率×回収率×(1/5000×予想レース数の二乗+0.5(≦1))×(0.95の遡及年乗(当年=1))

私の過去七期の予想力<公開予想ベース>(仮計算上)

第七期=36.8×147.3×0.789×1.000=4276.9
第六期=44.4×93.1×0.905×0.950=3553.9
第五期=50.0×149.8×1.000×0.902=6756.0
第四期=48.9×95.3×0.905×0.857=3614.4
第三期=57.9×92.4×0.789×0.815=3440.2
第二期=48.6×130.9×0.745×0.774=3668.4
第一期=45.9×190.3×1.000×0.735=6420.1

う~む。適当な計算式なのであまり参考にはならないですかね。これだけ見るとあまり成長していないという(苦笑)こんな感じに、何らかの指標ができればと思いつつ、その指標の計算式に合うように予想をすれば良いということになったら本末転倒ですからね。

いずれにしましても、予想力が進化しているかどうかを客観的に示すことは難しいと言えるでしょう。初期のレベルでは、こんな計算をするよりも実感として現れますので、ご心配はいりません。

2011.05.19