「キューゼロダイバー」

前回の平場攻略作戦(2000年頃)及びその断念から、1998年の皐月賞後からのち約6年間の長きに亘り、私はいっぱしのデータ予想家(データアーティストと自称)を気取ってG1戦を研究し、2002年の1月に現在のHPの前身である「馬流天星データアート美術館」を開設しています。

当時の私の予想法は、あるレースについて同じレースの過去何年もの馬柱を見て好走パターンや惨敗パターンを見出すデータ予想でした。当時のバイブルは東邦出版社「当てよ儲けよ蔵建てよ!」という本で、春のG1レースの馬柱が6年分くらい収録されていたと思います。本の中に登場してくる予想家(豪邸馬券師)の分析は全く参考にならなかったですけど、馬柱があるだけで価値の高い本でした。そうそう、ただ一人、サイン馬券術を書いていたモグ池田氏の文章は強烈なインパクトがありました。サイン派のぶっ飛んだ思考回路に友達と大笑いした記憶があります。馬柱面に限って、秋G1版やその後販売された「データSHOCK!」と合わせて良い研究材料になりました。持っている方いないですよね~?

私のデータアートが基本1991年の秋以降となっていたのは、この本がその年からしか掲載されていなかったからという訳で、同様に材料となる情報もその本の掲載範囲の前5走に絞られました。フルゲートが18頭で前5走ですから最大90マスの情報から、過去10年以上に亘って共通又は関連している項目を取りまとめて好走や惨敗につながる「法則」を見つけ出します。できる限り理性的かつ効率的な切り口に削ぎ落として洗練していく作業にはかなり集中力を要します。黙々としている自分を客観的に見ると、将棋漫画のハチワンダイバーのダイブみたいな感じかもしれません(笑)。こちらは90マスだけにキューゼロダイバーですが(笑)

データの作法は決まっているようで全く決まりがなくほとんど個人センスの問題になります。前走の使用レースやその着順・着差等の表面だけからデータを作ることもできるし、それらを絡ませて深遠なデータを作ることも可能です。この頃のデータへの傾倒ぶりは自分のHPのコラム等をご覧頂ければ理解して頂けるでしょうが、前5走を正確に分析し、精度の高いデータを作ればほとんどのレースは当てられるものだと思うほどでした(苦笑)。そう思うほど運気の流れが好調だったということでもあります。2000年の菊花賞で10万円近くの大幅プラスを弾き出したり、牡馬クラシックは勝ち続けていましたからね。競馬エイトから発売された蔵出しシリーズも購入して、豪邸馬券師本の馬柱よりも昔の馬柱とも格闘してデータを鍛えました。

今思いつくものでは、桜花賞の『春一番桜吹雪データ』、皐月賞の『不死鳥データ』、宝塚記念の『エメラルドデータ』、菊花賞の『四天王データ』、天皇賞春の『カラーパネルデータ』、NHKマイルCの『ドングリヘッドデータ』などがありました。それぞれ、文章は残っているので時間があればいつか復元及び改良してみたいですね。今でも生き残っているのは皐月賞の『不死鳥データ』だけです(私は皐月賞への思い入れが大きいので更新を続けています)。

データ予想は本当に突き詰めてやっていたつもりですが、現実には思うような精度を得られず、今のアナログ予想と比較すれば全然拙いものでした。それでも、アナログの破壊力を理解した上で振り返ると、馬を見ない予想でプラス回収を維持していたことと、データ予想からアナログの影響の大きさを学べたことは自分のスタンスを貫くことの自信につながったと思います。

今でも、巷の「データ」と呼ばれているもので自分が予想に使っても良いと思えるものは本当に少なく、データ予想派のレベルはそれほど上がっていない印象です。

注目しているのは、馬流天星ブログを長らく手伝って頂いていたワックスムーン氏の血統&騎手データ「ブラッドライダー」くらいでしょうか。線引きはもやっとしていますが、私が思うような的中ができなかった小倉2歳S、新潟2歳S、それから世間的に難易度の高かった今年の秋華賞(ブラックエンブレム)や菊花賞(オウケンブルースリ)まで3連複で的中できる予想なのはデータ予想の可能性を感じさせてくれますね。

参考まで、私のデータ予想の考え方をまとめた数年前の記述が残っているので良かったら覗いて見てください。→データ上級者への塔

更に上の階の「高次元データ」の話はこちらに書いています。ご参考まで。

2008.11.25