今回からご意見番としてワックスムーンさんにも時折参加して頂き、議論を深めていくことになりました。

(ワックスムーン)
予想の芸術化という視点はいいよね。
確かにテレビの予想家は人気馬を追いかけるだけで全く面白くないし、熱意も感じない。魂の入らないいい加減な予想を聞かされるぐらい苦痛なことはないからね。
亀谷氏らが出てる予想バトル番組は面白かったけどね。みんなその道のプロという感じで。まあ的中実績は微妙ではあったけど。。。

個人的には予想は事件を推理する刑事だと思ってるので、真犯人(勝ち馬)、共犯者(2・3着馬)を見つけるために、何をするかということだろうね。

捜査員(馬券購入者)が刑事(予想家)の意見を聞いて、納得して犯人逮捕に協力(馬券購入)してくれるかどうか、その支持を得るために出来ることが、根拠を持った推理(予想)なんだと思う。

説得力をもってその犯人(勝ち馬)で間違いないと思わせるかどうか、それはひとえにその刑事が提示した根拠(過去の類似事件から導き出される可能性や犯人心理を読む力)について、聞き手にどれだけ納得性の高い説明を出来るかにかかっていると思う。
根拠をどうやって表現するかを磨かないとダメ。

もちろん、提示する根拠、意見に耳を傾けてくれるためには、犯人逮捕(的中)の実績を持っているかということも大きいので、採点基準を考えると、「結果」(的中実績)50点、「根拠・芸術性」(説明文)50点かな。俺が考えるなら。
的中実績の配点は的中10点、回収40点かな。元本割れした的中を評価することは出来ない。単勝とか複勝のほうが当りやすいのは当たり前なんだからね。人気馬の単勝や複勝をバラバラと買って当ってもすげーとは誰も思わないし、アート性は低い。
やっぱ回収率が重要でしょ。
アートって人が考えないようなことを考える力だから、高配当ほどアート性は高いと思うけどね。

>競馬予想では、構成面で馬の能力、馬場条件、展開などの予想要素についての記載があるかどうか、また、それらが矛盾なく論理的に語られているかを採点し、技術面で各予想要素の正確性、精度などについて結果との相関を見て採点することとしてはどうでしょうか。
→そうだね。能力比較、馬場条件、展開は最低盛り込むべきだろうね。結果と整合性が取れていた場合に芸術点を追加ってことで。
根拠は能力比較(20点)、馬場条件、展開(10点)、結果とのマッチングで、ボーナスポイント20点というところかな。
芸術点は基本的に当って初めて加点されるものだということを前提にすると、的中面が70点、根拠が30点になるから、個人的にはバランスはいいと思うけどね。

例えば、去年の皐月賞を例に取ると、能力比較でチャールズは抜けた存在ではない根拠を示し、ブラックシェルは展開面で不利であることを指摘し、キャプテントゥーレが逃げる可能性を示唆し、タケミカヅチがインから差し込む可能性を示唆していると、根拠としては満点かな。30点やっていいだろうね。
で、印が◎キャプテン○チャールズ▲タケミカ△レッツゴーぐらいな感じで、
キャプテンの単    700円
キャプテンからの馬連 300円×3(900円)
キャプテンからの馬単 400円×3(1200円)
キャプテン1着固定の3連単 200円×6点(1200円)
計4000円
とかの購入だったら100点満点だろうね。
ちなみにこれだと11970、30780、81200、165500で、なんと配当総計は289450にもなるww
回収率は7200%!

後、個人的には時間がかかっても全馬についての見解を聞きたいというのもあるね。
買う馬だけにコメントを述べるスタイルだと、何故、その馬を消したのかという根拠が分からず、都合のいい予想に感じるし、読んだ人は、何故あの人気馬を買わないのか?というのも知りたいはずなんだよね。
さっきの犯人逮捕という観点で考えると、18人は全て容疑者なので、いきなり捜査線上から消えるというのは無しだしww
アリバイが必要だよね。消すにしても。

芸術性というのを理解してもらうのは中々難しいと思うので、馬券の買い方も限定すればいいんじゃないかな。そうすれば根拠を述べるときにかなり整理された文章が出来上がるはずなので、芸術性は自ずと高まるかと。
将棋だって、駒ごとに動かし方は決まっているし、マス目は万国共通。ルールはしっかり決めるべきだよね。

単勝や複勝を何点も買って当ったとか、3連単をBOXで120点も買って当ったとかいうのは少なくてもアートではないし、そもそも予想というレベルまで行かないという印象。俺がやってるのも残念ながら予想というより願望なんだよね。こうなったらいいなという。ご都合主義だよww

本気でアートを目指すなら、俺は今のような買い方はしないかな。3連単のBOX買いは卒業したけど、まだまだ点数が多いので。(3連複はそもそも順番を決める馬券じゃないからBOX買いはいいという整理。)
でも競馬ってそんな思い通りに行かないから、当てるためにはある程度の点数は買わないとダメなのも事実。当らないと続けられないからね。

バトルルール
・予想対象レースは全参加者共通(主催者側が提示)
・予想する際はかならず根拠、理由を示した文章を書く。文章には出走各馬の能力比較、展開(馬場条件含む)を盛り込むこと。
・予想の結論として必ず印を打つこと。◎、○、▲、△の順。△は何個打っても構わないが、印を付けた馬は必ず何らかの馬券を購入すること。
・1レースで買える点数は最大40点まで。券種は問わない。予想根拠で消した馬を購入することは不可。
(以下購入方法、点数の縛り)
・単勝・複勝は3点まで。
・馬連は◎、○からの流しのみ。
・3連複BOXは最大で5頭まで。流しの場合は◎、○、▲からの流しのみ。
・馬単は◎、○、▲ 頭のみ。
・3連単のBOX買いは禁止(◎○▲の6点BOXは可)。
・3連単の1着付けは◎○▲以外は不可。

これだと結果オーライで当ることはなくなるし、共通レースの予想なのでバトル感も増すし、公平な勝負が出来るような気がするけどね。
これで結果が出せるようになれば、予想家として相当成長するだろうね。
根拠を提示するにしても矛盾がなくなるし、芸術性も高まると思う。精緻な予想をしようと心がけるようになるでしょ。40点の範囲で当てないとダメなんだから。
まあ危惧するのは、誰も当らず企画倒れで終わる可能性があるってところなんだけど(苦笑)
これで、春クラシックの5戦(皐月、ダービー、桜花、オークス、マイルC)で勝負したら面白いんじゃないかな?
40点なら一般のファンも買える範囲の金額だしさ、やっぱり1万以上馬券を購入する層はレアだから、一般に競馬を認めてもらうためには、飲み代1回分ぐらいの範囲で4、5千円が限度じゃないのかな。

<スカイポット>
なるほど、「結果」(的中実績)50点、「根拠・芸術性」(説明文)50点で、的中10点、回収40点ですか。
的中率が案外大事というのが上級者の視点だと思うので的中率にも配点を重くしたんですが、バランスは再考すべきでしょうか。

的中率を重要視した根拠は、まず土方氏が指摘されているんですが、資金がゼロになる「破産リスク」を回避するために1回の投資金額をコントロールすると、的中率が高いほうが当然高い金額を賭けられるため、例えば投資モデルA(的中率30%で回収率110%)と投資モデルB(的中率10%で回収率150%)では投資モデルAのほうが最終的な収益が大きくなる、ということを説いていることを参考にしました。
ここからは私の持論ですが、的中率の低い回収率って、回収率の信頼性が低くなりますよね。実際にそのモデルでやってみても事前に設定された回収率が出ないとか。
また、的中率よりも回収率に依存した予想法は、それが主流の予想になった時に回収率が落ちるので使えなくなるおそれがあります。
そして何より、より芸術性の高い予想家であればより的中に近い予想をバンバンできないと駄目だと思います。
一発屋よりも堅実さを重視したいと思っています。

ただ、的中率を重視した配点にすると、本命の複勝を100円買って的中率を高めようとか、姑息な手段を使う人間も当然出てくるでしょうから、ワックスさんが縛りをかけたようなルール設定が必要です。できるだけ色々な予想スタイルの方が実力を発揮できる場にしたいと思いますが。

あと、全馬解説もほしいですね。mustじゃなくて良いとは思いますが、人気馬について語らずに消すというのはww
1~3番人気と、印を打った馬についてのコメントを必須にすれば良さそうですね。

点数の縛りも良いですね。3連単5頭ボックスの60点までほしいですが^^;

(ワックスムーン)
よくよく考えたら、買い方も限定するなら、当てるのもそう簡単な事ではないから、的中25、回収25でも良さそうだね。あまり回収ばかり優遇すると、大会自体が破綻する可能性もあるしね。
まあ、点数を40点に絞るなら一発屋もそうそう出ないと思うしね。
根拠のある的中でなおかつ精度も高く、回収もよければ芸術点がもらえるから、バランスを崩すこともなさそうだし。

各馬コメントについては、1~3番人気+印を打った馬へはmustということでいいかもしれないね。

3連単5頭BOXも導入するのであれば、トータル点数を60点にするということかな。
点数が増えるのは個人的には歓迎ではあるけど、精度の高さ予想の美しさを競うのであれば、可能な限り、勝ち馬を3頭ぐらいに絞って勝負したいというのはあるんだよね。凄く難しい作業にはなるけど、そういう前提で予想できるようになれば、本物だと思うし。
3連単5頭BOXだと的中してもアート性は低いから、芸術点があまりもらえないというリスクがあるのであればそれでもいいけどね。
まあ、その5頭はハナ差で並んだような結果であれば、満点あげたいけども(笑)
基本的には能力比較という配点項目がある以上、BOXにするには、それ相応の理由が欲しいよね。
あっ、そうか。何故にその券種で勝負するのかという理由も書かせるようにすればいいのか。後から、やっぱり3連単だった、3連複だった、馬連だったと後悔することも多いから、予想家にとっても、そこで熟考させることは意義がありそうだね。
最終的に綺麗な予想を目指す上では、券種の選択も重要になるからね。

<スカイポット>
話が若干前後しますが、回収率に囚われないほうが良いという話の補足です。

>人気馬の単勝や複勝をバラバラと買って当ってもすげーとは誰も思わないし、アート性は低い。
→たしかに。そんな予想につける芸術点は0ですし、理論に矛盾なく複勝多点買いをするのは難しいですから「根拠」への点数も低くなるでしょう。回収率も高くならないので評価は低くなると思います。

>やっぱ回収率が重要でしょ。アートって人が考えないようなことを考える力だから、高配当ほどアート性は高いと思うけどね。
→アート性は高配当に依拠するものではなく、予想のオリジナリティや精度から評価できるのではないでしょうか。

私たちが想像する「尊敬できる予想家」は、「合理的な根拠をもって高配当を取れる」人や、「合理的な根拠をもって当てまくれる」人ではないですか? そうすると、「高配当」がアート性に直結してはいないと思うんです。まぐれ当たりはこの評価基準では上がって来にくくしたいんですよね。なので、「結果」、回収率の割合を若干低めに設定してみたんです。

10頭立てのレースを予想しなければならない場合に、能力がみんな接戦だったとして、どう予想した人が評価されれば良いでしょうか。

A.根拠を元に馬を絞って本線で当てた人。
B.人気薄が入る可能性を指摘して手広くボックスで当てた人。
C.根拠はないもののヤマを張って、馬を絞って本線で当てた人。

従来の予想法ではAとCが当然評価は高いでしょうが、今回の審査ではA>B≒Cになるべきと思っています。

あと、大会ルールという視点ももちろん興味深いんですが、そこでのルールにとどまらず、理想では参加者以外の予想家の予想も審査できる、できるだけ普遍的な基準を作るのが最大目標と思っています。
例えば、巷で予想をしているブロガーや有料予想家の予想も勝手に各々が審査できるような。

そういう視点なので、ルールをしっかり決めるべきという点については、必要最低限の縛りだけで評価できるようにしたいです。将棋と競馬予想はやはり別物で、将棋はルールがなければ成立しない一方、競馬予想はどう予想してどう買うかのルールは無しで成立しますからね。

ワックスさん提案のバトルルールは、個別のタイトル戦で用いるようなイメージですね。

10月頃から隔月くらいで若駒戦の対象レース(重賞3つくらいをピックアップ)で個別タイトル戦を行って、10月、12月、2月それぞれのタイトル保持者+総合点上位2名追加の5名で4~5月に若駒名人戦を行うとか(笑)G1が5つあるのでかなり盛り上がりそうです^^

(ワックスムーン)
俺の中では点数は40点以内でというのがあったので精度もそんなに低くないという前提で考えていたんだけど、高配当=アートというのは確かに短絡的かもしれないね。ただ高配当が取れる予想というのは必然的にオリジナリティは高くなると思うけどね。
みんなと同じ予想をしていては高配当にたどり着くのは難しい訳だから。
どちらにせよ高配当の前提としては理論整然とした根拠が必要になるという点についてはそのとおり。

スカイくんが言うとおり、尊敬できるのは、「合理的な根拠をもって高配当を取れる」人や、「合理的な根拠をもって当てまくれる」だろうね。
当然どっちも勝てる予想をしているという意味では正しいし、合理的な根拠も提示しているのであれば隙はない。

長期的に競馬で勝てるかどうかは、予想を回避する力も問われるよね。野球に例えるなら選球眼=四球での出塁も評価したいから、このレースは、○○のリスクから回避するというのも何らかの評価をしたいけど、これはどう組み込むべきかな。

>例えば、巷で予想をしているブロガーや有料予想家の予想も勝手に各々が審査できるような。
同じスタンスでやっていないものを評価するのはかなり難しいよね。
格闘技とかをイメージすると分かりやすいけど、立ち技ならK-1が最強だ、でもK-1ファイターは総合になると弱い。だから総合格闘技のほうが強いとかさ、そういう議論って永遠にある訳でしょ。同じルールでやらないものを比べる事は難しい。
ボクシングで考えてみても、階級ってものが設けられている訳だし。そりゃミニマム級のチャンピオンだってヘビー級のファイターには勝てないもんね。だからといって、ミニマム級のチャンピオンの価値は下がるものではないし、別のものを比べるのは難しいよ。

競馬の場合はスカイくんの言うとおり、競馬予想はどう予想してどう買うかのルールは無しで成立しているんだけど、逆にそれが足枷になってる気もするんだよね。
明確なルールが何もないという事が。
だから何が真に有効なのかということもはっきりしない感じもする。
あれは血統なら取れたとか、騎手で買えば取れたとか、自分のフィールドではないから仕方ないという発想に繋がって、結局は十人十色だよねって話で終わっちゃうことが多い。各々の分野を跨いだ議論も少なかった。
同じ条件で戦ってないんだから当たり前だよね。だからこそ予想家というものの地位も高まらず、予想界も発展してこなかったんじゃないかな。

自由度が高ければ高いほど、一つの評価軸を作るのは難しくなるんじゃないかな。
音楽でもさ、何のルールもないけど、ロックにせよ、クラシックにせよ、同じ評価軸では語れない訳じゃん?人によっては耳障りなものが、人によってはリラックスできたり。
今やろうとしているのは、凄く難しい事だし、相当時間をかけてやっていくべきことだろうね。
とりあえず競馬予想の究極の目的を何に置くかという事を明確にする必要はありそうだね。
今までの議論を前提にすると、合理的な根拠をもって、点数を絞り、なおかつ高配当が取れる予想ということになるのかな。しかもその予想がコンスタントに当ると。
スーパーマンだよね、これはww

俺のイメージでは、やっぱり大会ありきなんだよね。
何らかのルールを設けて目線を合わせていかないと、中々全体レベルの底上げは難しいし、自分の提唱する予想理論の精緻性をアピールする意欲も生まれてこないというか。
やっぱり表現する以上は、他者から認められたいという思いが少なからずあると思うので、そういう場を設けて、そこで繰り広げられた戦いの中から、試行錯誤し、普遍性のある予想の芸術性の評価基準を考えていくというのがいいんじゃないかな。
どれが本当に効率的かつ精緻な予想かなんて、結局誰も知らないし、これまで明らかにされて来なかったんだから。

何回も予想バトルのようなものを重ねていけば、こういうレースでは、この予想スタンスが強い、弱いというのが明確になってくると思うんだよね。
仮に的中率でナンバー1になったとして、トータルでは負けたとすると、その的中率ナンバー1の予想の弱点というのも浮き彫りになるだろうし。
普遍性というものを考えると、どの条件、どの時代でも問題なく戦っていける予想力ということだから、短期的な勝ち負けで決められるものでもないから、やっぱり試行錯誤が必要だよね。

限定的なルールの大会で強ければ、フリースタイルではもっと強いとは限らないというのが難しいところだけ、ある程度の評価軸を作る意味での参考にはなるんじゃないかな。

<スカイポット>
確かに選球眼は評価の対象にしたほうが良いんですよね。実際のその人の馬券収支に直結する部分ですから。大体、よくある予想大会はメインレースあたりを必須にしていますから、例えば僕なんかはそれが古馬戦だった場合に自分の土俵で戦えない残念さがあります。つまり、若駒名人戦の大会を作ったとして、若駒戦を土俵にしていない方にとっては、自分の予想能力を遺憾なく発揮できる舞台とは考えられない(負けても自分の総合的な予想能力が劣っているとは認めない)ということになるでしょう。

それならば全てフリースタイル、レースもどれでも良い、賭け金もどれくらいでも良い、馬券種も点数もどれでも良いってして成績で競うとなると、それでは予想の中身が問われないから一発屋が出てきてしまう。全てのレースの力関係を把握して、予想の審査をできる人となるとほとんどいないと思われるのも難しいところです。

ルールで縛って狭い範囲に限定しても良いからとりあえず予想文の内容を採点の対象とする予想大会を行ってみるべき、ということになりそうですね。

2009年01月29日