(ワックスムーン)
根拠を示すことは出来ても、その根拠や視点が間違っていて、結果に全然結びついてないとすると、やっぱりそれは形式上整っているけど、中身はないという事になっちゃうのかな。
的中していない予想が、的中した予想を芸術的に上回るケースは、やっぱり根拠の差?
でも根拠が正しければ、結果が伴うはずであって、的中せずに芸術性が高いというケースもないような。。。
やっぱり最低条件として的中しないと美しい予想にはなり得ないんだろうね。

<スカイポット>
根拠や視点の精度については、「根拠」のテクニカルエレメンツ部分で採点することになります。プログラムコンポーネンツ部分として、形式上各馬について買い消しの根拠を語っていればそこの点数は入りますが。

評価基準の話に入ってきましたね。
的中していない予想が的中した予想を総合点で上回るケースは根拠の差でしょうね。
私は結果4割、根拠4割、芸術性2割にして、まぐれで的中した予想(結果4割)が根拠をほぼ完璧に書いた予想(根拠4割)と同レベルになってもおかしくない採点にしたいと思っています。

例えば極端な話、サイレンススズカが競走中止した天皇賞秋で、Aさんは特に合理的な根拠なくサイレンススズカは負けると予想して的中、Bさんは根拠ある予想をして、サイレンススズカからオフサイド、ステイへの馬連を買って不的中でした。

AさんとBさんの予想どっちが上ですか?って考えると、Bさんのほうも評価してあげたいと思うんですよね。もちろん、結果も無視できないのでAさんもポイントは入りますが、外れたら0点という採点法は不適切だと思います。予想上手の馬券ベタとはよく言いますが、根拠は的を得ているのに、馬券選びを間違えて的中できなかった、そういう予想にもそれなりの点数を与えて、その人の予想平均点を高めてあげたいです。

今考えている評価基準の枠組みをもう一度書いておきます。まだまだ検討の余地はたくさんあると思います。

「結果」40点
・的中点(20点)…短期勝負では的中すれば20点。ただし元返しを割った場合は10点。長期勝負では的中率3%ごとに1点。
・回収点(20点)…短期勝負では回収率0%なら0点。20%ごとに1点追加。回収率100%~119%で5点。400%を超えた場合はその他の点数加算がある可能性がある。長期勝負ではその2倍とする。

「根拠」40点
・構成点(15点?)…1~3番人気と印を打った馬への説明があるか、指定された中で指定数の予想要素(能力、馬場差、展開、データなどを検討中)が入っているか、文章が合理的で矛盾を生じていないか等・技術点(25点?)…書いた内容が妥当であるか(事前に把握できる範囲で)

「芸術点」(20点)…審査員次第だが、あまりにも漠としているのも統一性に欠けるので、項目をいくつか設けるべきか。根拠と結果の整合性に10点くらい配点?

(ワックスムーン)
>Aさんは特に合理的な根拠なくサイレンススズカは負けると予想して的中、Bさんは根拠ある予想をして、サイレンススズカからオフサイド、ステイへの馬連を買って不的中
→スズカの秋天を例示として出したのは分かりやすいね。
ただ、これも結果論なんだよね、全部。あのままスズカが故障しないでゴール盤を駆け抜けられたかは、可能性の話であって、真相は永遠に不明な訳でしょ?
仮にさ、Aさんが合理的な理由でスズカを消して、オフサイドとステイを本線にしていたとしたら、スズカが故障したのは偶然だから、この人の予想は根拠が低いと誰が裁けるのかって話もある。
特に合理的な根拠なくスズカを消したという前提があるけど、何が合理的な理由と認定するかというのも非常に難しいケースも出てくるだろうね。
合理的か非合理的か。ここの判断は結果に左右されてはダメな部分だよね。勝ったから合理的、負けたから非合理的というのは違うと思う。
じゃあ、このケースで合理的な理由は何だろうね?
連勝してきて、前走はレコード勝ち。疲れによる凡走リスクが高いこと。オッズが低すぎて妙味薄であること。簡単に言うとこれぐらいかな?若しかしたら逃げ馬が秋天を勝っていない(かどうかは知らないけど)とかいうデータもあるのかもしれない。
これらは合理的な理由になるよね?仮にスズカが圧勝したとしても。
非合理的なのは、1番人気が負けやすいレースだからとか、単にそろそろ負けそうな気がするとか、そんな程度の理由の場合かな。これだとオカルトじみているし、納得性は低いもんね。仮にスズカが凡走したとしても合理的な理由にはならない。

ちょっと具体的な話になるけど、あの秋天ではスズカを本命にするのが俺も妥当だと思うから、それ自体では評価は上がらない。2番人気メジロブライトや3番人気シルクジャスティスをスピード決着は向かない事を理由に消去しているかどうかというのが、根拠として一番求められたものかな。
ステイは4番人気、オフサイドは6番人気と決して買えない馬ではないからね。2,3番人気を消せるなら、尚更。
個人的には当時スズカ鉄板だと信じていたので、スズカからステゴ、オフサイド、ローゼンカバリーの3点勝負だったよ。当時は馬連しかなかったから、絞って勝負というスタイルだったからね(笑)
今なら4頭に絞れている訳だから、保険で相手の馬券も買うだろうな。そういう技術は、評価されるんだよね?
結果、スズカが楽勝したとしても、そのリスクヘッジの3頭の馬券を買ったことで芸術性が否定されるものでもないよね?

結果が1つしかない以上、根拠って必ず結果とリンクして評価されるべきものだと思うんだよね。
何の競技でもそうだけど、10回走って10回とも同じ結果になるはずがない訳ない。終わった時点での結果だけが事実として残るんだよね。あまりに不的中になった場合の根拠を優遇すると、タラレバだらけの世界になりそうで、ちょっと怖い。

事前に想定できないようなレース展開(極端なスローやHペース)、想像以上に馬が成長していた場合、若しくは、買った馬の出遅れや最悪の場合の競走中止とか、その可能性は常にある訳だから。
全員がその不確定要素を前提にして予想している。もっと言えば、その不確定要素をどう捉えて、最終的な馬券を決めるか。それこそが本当の意味で求められる予想技術だと思うしね。

仮に予想根拠が完璧だったとしても、それが結果に結びつかないのであれば、厳しい言い方をすると、予想のセンスがないと言わざるを得ないね。
競馬には常にリスクが付きまとうから、リスク分散のために、点数をたくさん買うというのはナンセンスな話だけど、結局リスクと運用益のバランスをどう取るかという問題だよね。
それを踏まえた上で芸術性の話を議論して行きたいね。

何がラッキーパンチかって、結局分からない。一応合理的な根拠を示していれば、それで当った人に、あれは可能性が低かった。たまたまラッキーで当ったとは言い難いよね。

例えば、人気薄が入った場合の回収に期待して5頭BOXで買ったCさん、3連単で3頭BOXに絞ったDさん、3連単1点に絞ったEさんの3人がいたとする。
それぞれが印を打った馬に対する根拠は合理的なものというのが前提。

分かりやすいように、08年の皐月賞を例にしよう。
Cさん キャプテン、タケミカ、チャールズ、レインボー、レッツゴーの5頭BOX
Dさん キャプテン、タケミカ、チャールズの3頭BOX
Eさん キャプテン→タケミカ→チャールズの1点

これの誰が一番評価される?
Eさん、1点勝負的中は確かに凄いけど、チャールズの3着はギリギリだったし、どう見るかね?
Cさんの考えは合理的だし、レインボーやレッツゴーが馬券圏内に入る可能性だって十分にあったとすると、これはこれで素晴らしい気もする。Dさん、Eさんよりも回収面で劣るけどね。
凄く難しいよね。極端な例を取っているので、こんなケースはまずないとは思うけど。

もっと言うと、単1点勝負で買って、勝利した場合の難しさ。
これも例をとってみると、08年の秋天。
合理的な根拠でウオッカの単で勝負したFさん、合理的な理由で、ウオッカの単、スカーレットの単2点で勝負したGさん。
ウオッカが楽勝したならFさんという気もするけど、あれだけ僅差だとGさんも同等の評価になるのかな。
ウオッカ、ダイワの単2点と2頭の馬連1点でどっちのほうが回収率が高いかという問題はもちろんあるんだろうけどね。

いやー、予想の審査って恐ろしく難しい作業だね。ウオッカが勝ったんだし、Fさんの勝負勘は素晴らしいと言うのは分かるけど、それが果たして、我々の目指すところの予想芸術とイコールかというと違うような気もするしね。

<スカイポット>
私も今の提案が良いと確信してはいないので、こういう事例を出して頂くと面白いですね。
まずはサイレンススズカの取捨で分かれたAさんとBさんから考えていきましょう。

と、いきなり横道にそれますが、故障って事前に予想できますか?

今回のレースで故障する可能性が高いって言える合理的な理由ってあると思えないんです。過去の馬で言えばサンエイサンキューはいつか故障しそうな使われ方をしていて実際にそうなった例だと思いますが、有馬記念で故障すると断言できないですよね。獣医とか厩舎関係者で脚の状態とかをチェックしている人ならその時危ないっていうのがわかるのかもしれませんが…。だから、故障を前提に予想するっていう合理性はないと思うんですよ。別にしたい人はしてもいいですけど、相当の理解できる理由を書いてもらわないと根拠として評価しにくいと思います。

今回のAさんはスズカが故障しなくても負けると言っている前提なので話を戻します。ずるいことにAさんの理由は合理的でないという書き方をしたんですが^^;

>じゃあ、このケースで合理的な理由は何だろうね?
>連勝してきて、前走はレコード勝ち。疲れによる凡走リスクが高いこと。オッズが低すぎて妙味薄であること。簡単に言うとこれぐらいかな?若しかしたら逃げ馬が秋天を勝っていない(かどうかは知らないけど)とかいうデータもあるのかもしれない。
→審査員の個性やレベルに左右されますけど(極論を言えばこれになってしまいますが)、私だったら連勝、前走レコード、疲れ、オッズとの兼ね合い、逃げ馬が勝っていないというのは、オッズ面を除いて、スズカの軽視材料としてあまり合理的とは思えないですね。本文中にデータがあれば良いかもしれませんが、一般論で取捨選択をするのは稚拙じゃないでしょうか。

>非合理的なのは、1番人気が負けやすいレースだからとか、単にそろそろ負けそうな気がするとか、そんな程度の理由の場合かな。
→これはそうですね。なので今回Aさんはそろそろ負けそうという理由で消したとしましょう。審査員によってはAさんの勝負勘を評価する人もいるかもしれませんが、私はAさんの的中はラッキーだったと思います。そもそも勝負勘って、しっかりとした根拠がなければ偶然だと思いますし。

ではAさんの理由が合理的だった場合。例えば、Aさんのスズカ失速の根拠に、スズカの逃げが1000m57秒前半になることを記述し、ハイペースラップでは乗り切れないコースというデータを紹介している(馬場差なども考慮している)ものだったら、どうか。

>仮にさ、Aさんが合理的な理由でスズカを消して、オフサイドとステイを本線にしていたとしたら、スズカが故障したのは偶然だから、この人の予想は根拠が低いと誰が裁けるのかって話もある。
→というご指摘はその通りで、この場合は、スズカが来なかったのが予期不能なアクシデントであったとしても、Aさんの的中はラッキーではないという評価をして良いと思います。

>今なら4頭に絞れている訳だから、保険で相手の馬券も買うだろうな。そういう技術は、評価されるんだよね?
>結果、スズカが楽勝したとしても、そのリスクヘッジの3頭の馬券を買ったことで芸術性が否定されるものでもないよね?
→いずれも評価されて良いと思います。

今回の例題はAさんとBさんで、従来の予想大会ならAさんが100点、Bさんが0点であるものを、むしろBさんのほうが上に評価できる可能性もあるんじゃないか?というものと考えて頂ければ。

根拠を結果とリンクして評価するというのはそうしましょうか。私もどっちが良いのかわからなくなっているところがあって。結果と根拠を一緒に見るのは芸術点という話もあったので。

>仮に予想根拠が完璧だったとしても、それが結果に結びつかないのであれば、厳しい言い方をすると、予想のセンスがないと言わざるを得ないね。
競馬には常にリスクが付きまとうから、リスク分散のために、点数をたくさん買うというのはナンセンスな話だけど、結局リスクと運用益のバランスをどう取るかという問題だよね。
それを踏まえた上で芸術性の話を議論して行きたいね。
→結果に結びつかないということは「結果」部分の配点が入らなくなる(完璧な予想をしても40点にしかならない)ので大丈夫でしょう。総合点が高まることが芸術的予想のレベルアップなわけですからね。

Cさん、Dさん、Eさんの出てくる皐月賞の例も誰が評価されるかは、「結果」面ではE>D>Cの順になるでしょうが、「根拠」についてはそれぞれの理由が合理的かどうかによるということです。
僅差接戦だけどこの5頭で決まるということを合理的理由で説明していればCさんの根拠は完璧です。
Dさんはさらにレインボーとレッツゴーの可能性を合理的説明で消せていたら完璧です。
Eさんはさらにキャプテン、タケミカ、チャールズの順に入ることを合理的に説明できていれば完璧です。が、Eさんの3連単1点を果たして合理的に説明できるのかは疑問ですね。至難だと思います。Eさんの説明に納得いかない強引な部分があれば、多少減点されて、E>D>Cの順位が変動する可能性があります。

08年の秋天の例。
ウオッカの単のみのFさん、ダイワとウオッカの単にしたGさん。
「結果」部分はF>Gの点数になりますが、これも両者の根拠次第で逆転があるということになります。

(ワックスムーン)
いや、ほんと難しいよ。試行錯誤の繰り返しだね。

故障リスクについては、そのとおり。予見不可能な極端な例だよね。俺も予見できるケースはないし、合理的な理由を事前に提示するのは難しい気がする。
とりあえず、疲労による凡走リスクという事でいいと思うけど、それを判断する場合、一般に入手できる情報としては調教タイムぐらいになってしまうよね。
タイムが遅い、本数が少ない事を理由に凡走リスクが高いと言って、実際に凡走すれば、合理的といえるかどうかは難しいところ。
難しいけど、実際にそれが人気馬で、現実として凡走した場合は、その判断や根拠も評価されて然るべきなのかもしれないね。どれだけ精緻なデータを提示したうえで、納得させられるかどうかだろうけど。

Dさんはさらにレインボーとレッツゴーの可能性を合理的説明で消せていたら完璧です。
Eさんはさらにキャプテン、タケミカ、チャールズの順に入ることを合理的に説明できていれば完璧です。
→それぞれを完璧な根拠を述べるのは難しいよね。どうしても結果論になってしまう気がしてさ。もしもレインボーやレッツゴーが馬券になっていたら、やっぱりその根拠ではダメだったという事になるのであればね。

根拠が正しいかどうかは、着差に起因するのかね?
その結果以外を想定すること自体がおかしいと思えるぐらいに着差がつくレースってあるじゃない?
若しくは馬券圏内の可能性を考えた馬が惨敗するとかさ。
例えばシンボリクリスエスが大楽勝した有馬記念とかなら、シンボリ以外の馬を1着に推している場合の根拠は0点になるのかね?

いやー、いろいろ考えると面白いね。1回、ちゃんと討論してみたいよ。いろんな人の意見も聞きながらね。

<スカイポット>
面白いですね。審査員を納得させるための取捨の根拠を1頭1頭書いていたら実際問題やってられなくなりそうですが(苦笑)

人気馬を軽視して、実際に凡走したとして、根拠に書いた理由が原因だったかどうかはわからないですよね。とすると、根拠の点数はいかにそれが原因だと納得させられる文章を書いているかどうかになると思います。根拠が合理的でなければラッキーだったと考えられてしまう。それでも結果点はつきますから、不当に評価していることにもならないと思います。

根拠の正しさが着差に起因するかどうかもケースバイケースですね。例示されたシンボリが9馬身差勝った有馬なら、シンボリが負けると説いた人の「根拠」(技術点)は当然少なくなるでしょう。逆に、結果的に本線が1~3着で決まったD、Eさんの予想が着差が僅差だから評価を下げようというのは微妙なところですね。ハナ差の4着でも消えたことには変わりはなく、合理的な理由によってズバリの結果を得たのであれば評価は高くして良いと思います。

強引な根拠を作っても点数が上がりにくいシステムなので、ヤマを張って大当たりを目指すより、無理せず自分が持っている合理的な予想技術で絞れるところまで絞る、その人本来の予想力が問われる基準になるんじゃないかと期待しています。

2009年01月31日